「花火始めるわよ~!」
虎姫の呼び声で、全員がワグナーの元に集合する。
虎姫と共に持参した手持ち花火を皆に少しずつ配り、彼は声を上げた。
「最後は海に捨てず、必ずこのバケツで消火してくれ。
着火の火は、ハンターたるもの、それぞれ工夫して用意してくれ!」
火打ち石を使う者が多い中、真っ先に花火を受け取ったガロンとラギとコゲ爺。
ぬぉぉぉと叫びながら、昔ながらの摩擦発火を試みている。
「ジジイには負けねぇぜ!」
「なんの、若造が!ほれ、儂はもう煙がでてきたぞい!」
「……煙から火になるまでが勝負だ…。」
結局ラギが真っ先に成功、コゲ爺とガロンがちょっと遅れての成功となった。
「あら…もっと用意すれば良かったかしら!」
一人あたりにすると意外に少ない。
虎姫が残念そうに言うと、ワグナーはにっこり笑い、皆に内緒で用意した大量の花火を荷車から出してきた。
手持ち花火の他、噴き出し花火、しかけ花火と種類豊富だ。
逆に言えば、知らずにこんな火薬の塊とここまで旅をして来た訳か。
いやぁ、レウスやレイアの襲撃に遭わなくて良かった!
ジョウジは苦笑する。
「さすがワグナーだわ♪」
嬉しげに飛びつく虎姫の髪をなでなでし、ワグナーは皆に追加分を配る。
オトモたちが特に喜び、ワグナーの足もとにすり寄ると。
アイルー大好きの若、たまらず彼らをまとめて抱き上げ、もふっと顔を埋めた。
オトモたちはくすぐったそうにモゾモゾし、ワグナーはさらにもふもふする。
「うむ…良い…!」
ラギがじっと、そんなワグナーを見ている。
「…良いなぁ…。」
「ねぇ、お楽しみの所悪いけど、兄様。最初はどの花火から点火しますの?」
とわがアイルーまみれのワグナーをつつく。
「あぁ?そんなもん決まってるだろうが!
まずは景気良く、ドカンと一発打ち上げ花火!これしかないぜ!!」
ガロンがそう言いながら、砂浜に打ち上げ花火を固定し、早速火を点けようとする。
「ちょっとガロン!それはまだ早いでしょ!」
虎姫が慌てて止めに入る。
近くにいたナイトは、点火しようとしていた大筒花火2丁をそっと隠す。
とわが小首を傾げて始終眺めていたのは内緒である。
「早いか~?ちっ、しゃあねぇなぁ…。」
渋々と諦めるガロン。
ーーーやはりこの男、虎姫には勝てぬようだ…。
「旦那しゃん、あたちこれがいいニャ♪」
オトモのたっぽが差し出したのは…。
「お?ネズミ花火にヘビ花火か!」
ガロンの顔が子どものようにほころぶ。
くるくるくねくねする、ちょっと面白い花火だ。
「さすがたっぽ、俺の好みを解っているじゃねぇか♪」
頭を撫でてやると、たっぽは胸を張る。
「あたりまえだニャ♪」
…ビキニのブラがずり落ち、再び腹巻きになった。
「なぁなぁお嬢ちゃん、これなら良いよな?」
虎姫にお伺いを立てるガロン。
お伺いを立てながらも、すでに、棒を組んでねずみ花火を結びつけている。
つづく
とわ&GG共著