ガキィィィーーーーン!!
カンカンカン、キィィーーン!
激しい金属音。
2人の闘いを止めようと走るジョウジとガロン。
「なぁオッサン!」
「なんだ?」
「とわには何とかしてやるって言ったけどよ…。あいつらをどうやって止める気なんだ?」
「………。」
「オッサン?」
訝しげにこちらを見るガロン。
「まずは…。」
「まずは?」
「2人の動きをよく見る…。」
「はぁ?」
「いいか、ガロン。お前は初見のモンスターを相手にして、いきなり斬りつけるか?」
「…いや…。」
「それと同じだ。闇雲に止めに入っても怪我をするだけだぞ。」
「しかしな…。」
ジョウジは走りながら続けた。
「勿論、できるだけ早く止めねばならぬ。あやつの腕前はナイト殿と互角か、あるいは…。」
「オッサン、あの仮面男を知っているのか?」
「あぁ、あやつの名はラギ。ズイムの元で修行中の男でな。
実は、拙者も何度か一緒に狩りに出かけておる。」
ナイトとラギが争う現場に到着し、ガロンは違和感を口にする。
「なんだ、ナイトの奴、防戦一方じゃねぇか。…なにかあるのか?」
――ガロンの言う通り、ナイトは反撃を一切せず、大剣の腹で防御に徹していた。
その眼差しはどこか獲物を狙う蛇のそれに似ていた。
「ガロン。拙者が合図したら、ナイト殿を止めるんだ。拙者はラギを止める。」
「いきなりどうした?」
「理由は後だ、いいな。」
ジョウジの有無を言わさぬ口調に、ガロンは渋々といった風情で返事した。
「ちぇっ、判ったぜ。」
やがて、動かぬナイトに業を煮やしたラギが、戦法を変えようと身構えた――その時!
「今だガロン!」
「よっしゃ!」
ナイトに向かって走り出すガロン。
ジョウジも駆けだしながら、閃光玉を投げ入れた!
強烈な閃光がラギとナイトの視界を奪う。
「うっ!」
「くそっ…。」
2人の動きがほんの一瞬だけ止まった。
その一瞬に。
「頭を冷やせ、編み笠!」
ナイトを羽交い絞めにするガロン。
「ラギ!何をしている、この馬鹿者が!」
手刀で、ラギの両手から武器を叩き落とすジョウジ。
「ガロン…それに爺や殿…。」
「ジョウジ殿!」
我に帰る2人。そこに!
「ナイト様!ラギさん!」
女の叫び声と共に、2人めがけてすごい臭いが飛んできた!
「「「「!!!」」」」
べちょっ!
「「「「くっさーーーーっ!!!!」」」」
全員が鼻をつまんで振り返ると、必死の形相のとわが眼前に近づいていた。
ちょっと離れたところで、あまりの臭さにひっくり返るジェット君が見える。
「うわぁぁーーん!ナイト様とラギさんのぶぁかーーーーーーー!!」
べちーーーん!
見事な平手打ちがナイト、ラギ両名にヒットする。
ーーが。
「い、痛ぁーーーい!!!」
ラギは仮面を被っていたので、当然、痛いのはとわの手の方だった。
自分の手をふぅふぅしようとして、彼女はまた叫んだ。
「くっさーーーい!」
「…誰のせいだーーー!!」
全員から突っ込まれたのは言うまでもない…・。
後に聞いた話だと、彼女は、爺やに続いて閃光玉を投げるつもりが、あせってこやし玉を投げてしまったとか。
ともあれ、 強烈な臭いに戦意を削がれた彼らを、無事、引き離すことに成功した一行であった。
つづく
とわ&GG共著