対になるもの 11 | 徒然とわ日記

徒然とわ日記

日々の暮らしの中、心に留まった事を綴ります(^-^)
雑記帳みたいなものです。
見てくださったら嬉しいです(^_^)/

「ねえ、ナイト様。」

しばし何か考えていたとわは、ナイトに声をかける。


「何です、お嬢?」


「ナイト様は、金と銀のリオ夫婦のこと、ご存じ?お詳しいようなら、ぜひお話を…。」


「……希少種のことですか?」


「ええ、そうですわ!以前、古龍観測所に資料を見に行った時にね、かなり古い本に記されていたのよ。

伝承めいた、たった十数行のものだったけれど。」

まるで、お伽話の世界。

分類は古龍種ではないものの、未だ完全には生態が解明されていない、希有な存在。

その体は、荘厳な銀色と、煌めく金色だという。


「おい、とわ。最近外出が多いと思ったら、お前…あんな所に行っているのか?」


「そうよ、何かおかしいかしら?」


大真面目に答えるとわに、ガロンは、うへぇ~という顔をした。

「いや…ああいうカビ臭くて肩の凝りそうな場所は好かねぇなぁって…。」


呆れた、というようにガロンを見やるとわ。

「あそこには、古龍以外のモンスターの生態の本もたくさんあるのよ。あんたも少しは勉強したら?

ジョン=アーサーの書いたものも、伝説の古龍の資料もたくさん揃ってるんだから!」


ガロンと言い争うとわに、ナイトは、改めて問う。

「お嬢は、古龍に興味があるのか?」


「あの…笑わないでくださいね。わたくし、王立古生物書士隊に入るのが夢なのです。」

瞳を輝かせるとわ。


「はぁ?お前が?」

手にした骨付き肉が思わずテーブルに落ちる。慌てて拾うガロンを横目にしながら、


「お嬢、本気か?」

ナイトはとわを見る。世間知らずのお嬢様の夢物語だろうか。


彼女は、まっすぐにナイトの目を見返し、頷いた。

そして、かばんの中から、何冊ものノートを取り出して並べる。

「ええ…。わたくしみたいな未熟者では、無理な話かもしれないけれど。勉強はしていますわ。」


ナイトは、ノートを手に取る。

彼女が観測所で聞いた話、調べた話が細かく書き込まれている。自分で戦ったモンスターの記述もある。

……一応、お嬢なりに頑張っているわけか……。


とわの真摯な眼差しに、ナイトは笑顔を見せた。

「無理ってことはないですよ。」


「おいおい…編み笠…。」


「編み笠じゃねぇ、俺の名はナイトだ。

いいですか、お嬢。確かに今のあなたでは、実力的には難しいでしょう。

しかし、まだあなたは原石。これからどういうハンターになるかという時です。

それに、まだ行動していないのに、やる前からあきらめてどうする?」


「……。」


「お嬢ができることをすべてやってみたら良い。納得できるまでやり尽くすんだ。

それでも夢に届かなければ……また、その時に考えればいいさ。」


「わたくしにできること…。」


「そうです。」


「そうね。わたくし、まだ何もしていないもの。スタートラインにさえ立っていない。

まずは、ハンターとしてもっと腕をあげて、凄い依頼を受けられるようにならないと!」


ナイトはとわの肩をぽんと叩く。

「頑張れよ、お嬢。俺は、頑張るお嬢を応援しますよ。」


「ありがとう、ナイト様。」

自分の前に、細いながらも道が開けたのを、彼女はうれしく思った。




そこに、朝早くから採取に出ていたジョウジ達が帰ってきた。

「おはようございます、お嬢様。昨夜はよく眠れましたかな?」


「…おかげさまでね。それにしても、黙って置いていくなんて酷いわ、爺や。」

脹れっ面のとわ。

ジョウジは苦笑いしながら、すみませんと荷物を下ろす。


「爺や殿、お嬢からお話は聞きました。兄上殿に祝いの品を贈りたいとのことで…。」


「ほう、お嬢様がお話しましたか。それで何か進展はありましたかな…?」

シオンが義足を外すのを手伝いながら、ジョウジは顔をこちらに向ける。


「ナイト様は、リオ夫婦の素材を使っての結婚指輪はどうかって。」

夫婦仲の良いことで知られるリオ夫婦。カップルへの贈り物には最適であろう。


「ふむ…そうですか。」

ジョウジの眉間に皺が寄る。


「どうしたの爺や、難しい顔をして。」


実は、と語り出すジョウジ。

最近この辺りで、銀火竜…リオレウス希少種の姿が度々目撃されていると言う。


「それ、本当なの、爺や!」

興奮気味にとわが立ち上がる。


「ええ、りんね殿の話では、おそらく金火竜も一緒にいるのではないかと…。」


シオンの妻りんねが、みんなにミルクを運んでくる。

「村でも何人もが目撃しているのよ。なんでも、頭部に傷のある奴だとか。」


――頭部に傷…。ハンターとやりあったことのある奴か。

ナイトは、腕を組む。

警戒心も人一倍強いかもしれんな…。



つづく

とわ&GG共著