「私…兄様の事が好き。幸せになって欲しい…。
だから、あの兄様に、大切な人ができたことを本当は喜ばないといけないの!
頭ではわかってるの!」
とわは胸の内を語る。
「だけど気持ちがついていかない…。
兄様が、私から離れて行く…そう考えると、耐えられないわ…。」
まるでそれは恋心。
どうしてこんなに苦しいの?
「ねぇ爺や…
私はどうすればいい?」
お嬢様にはキツい言葉になるかもしれない。
だが…。
ジョウジは諭すように、とわに言葉をかける。
「お2人とも、もう子供ではありません。
お互いのことを想うのは大切ですが、それ以上は相手の為になりませぬぞ…。」
俯き、大人しく聞いていたとわ。
「…私が、兄様兄様って縛りつけていては、兄様が幸せになれないと言うこと……?」
消え入りそうなとわの言葉に頷くジョウジ。
寂しげに考えこむ、とわ。
黙ったまま、長い時間が過ぎる。
「…お嬢様は、もう1人ではありませぬ。
拙者や、ガロンもおりましょう。」
その言葉に、とわはようやくを顔を上げた。
「わかったわ…。」
噛み締めるように言葉を紡ぐ。
「私のせいで、兄様が幸せになれないのは、絶対に嫌…。」
まるで自分自身を説得するかのように。
「だから…2人で祝福してあげることにするわ。
それが…私の兄様への想いの形よ。」
頷いて、ジョウジは立ち上がる。
「よろしい、それでは戻りますか…。」
「待って!」
再びジョウジにしがみつく、とわ。
「!」
彼女は懇願する。
「お願い…。
もう少しだけ…
このままでいさせて。」
――気持ちの整理を、
しなければ…。
兄様と同じくらい大好きな爺や。
今は。その胸を借りて。
……どうか、この私に、歩き出すパワーを下さい…。
「兄様が選んだ彼女さんなのだから、きっと、きっと、素敵な人よね…。」
「…でしょうな…。」
2人倉庫の陰で静かに抱き合い、思いを馳せる。
「早く仲良くなれたらいいな…」
ジョウジは、腕の中のとわをなでてやる。
――子どもだと思っていたが…。
いつの間にか、大人になっていたのだな…。
つづく
とわ&GG共著