貨物船が、ゆっくりと遠ざかっていく。
離脱に成功したようだ。豪山龍が急激に向きを変えない限り、もう安全だろう。
ワグナーは、ほっとすると同時に、はっと我に返った。
慌てて、大砲に弾を運んでは砲撃を加える。
トワと虎姫も、バリスタで巧みに攻撃していた。
攻撃を嫌ったダレン・モーランは、大きく回転しながら砂の海に潜り、姿を消した。
辺りを見回すワグナー。
不気味な静けさ。
貨物船は、既にその姿は見えない。
「ダレン・モーラン…逃げたのか?」
虎姫、バリスタの台座から降りてくる。
「そうだと良いけど…」
トワはたゆまず動く。
まだ、油断は禁物だ。
ただ隠れただけかもしれない。
「今のうちにバリスタの弾を補充しましょう、虎姫。」
警戒中のため、まずはトワがバリスタの弾を補充する。
交代で、虎姫が補充を始めた。
「いたぞーっ!あっちだ!」
マストの上方に居た観測員が、巨体を発見する。
再び現れた、ダレン・モーラン。
船2つ分くらい離れた場所に急速に浮かび上がってきた。
やはり、そう簡単に退いてはくれないか。
ため息をつく間もなく、豪山龍は大きく反り返り、憤石を飛ばしてきた!
その一つが、バリスタ弾を採取中の虎姫めがけて落下してくる。
彼女はまだ気づかない。
「危ない、虎姫!」
激突の直前、ワグナーは愛しい彼女に覆い被さった。
巨大な岩塊が、彼の頭部を直撃する。
「ぐはぁっっ!!」
ヘルムが音を立てて割れ、床に転がり落ちた。
ゆっくりと、ワグナーの体が倒れ込んでくる。
虎姫は彼の下敷きになりながら悲鳴をあげた。
抱き抱える虎姫の手に、生温かい血。
「ワグナーーー!」
つづく
とわ&GG共著