とわの宿泊先は、偶然にも、ジョウジの宿の筋向かいであった。
ジョウジは自分の宿を引き払い、とわと同じ宿の一室を借り直す。
「それにしても、驚きましたぞ。」
夕飯を一緒にとりながら、ジョウジはとわを見つめる。
「だって、もうあの家、無いんですもの。」
けろっと言うとわ。
「…え!?」
彼女の話によると。
傾きかけた貴族というのは意外なほど没落が早く、とわの婚礼で挽回するはずが失敗、屋敷は原因不明の火事で焼けて無くなったそうだ。
ジョウジは絶句した。
自分が居なくなった後、そんなことが…。
末娘のみずきお嬢様は…。
「みずきは幼なじみで許婚の家に居るわ。
あそこなら、大丈夫。」
夕飯の皿を洗いながら、とわはジョウジに話かける。
「ねえ爺や。お兄さまは一緒じゃないのね?
……それから……武器、どうして変えたの…?」
ボウガンの手入れをしていたジョウジは、その手を止める。
気づかれていたか…。
「実は…。」
ジョウジは語り出す。
ワグナーと氷海でザボアザギルの狩りの最中、怒り食らうイビルジョーに遭遇したこと。
助けようとした若は海に転落し、自分は拘束攻撃により、肩と上腕の筋を痛めたこと。
それにより、大剣がふるえなくなり、ガンナーへ転向したこと。
今でも、正直、武器を握る度に痛むこと。
とわは、ジョウジの負傷箇所をそっと撫でる。
「…そう…。
ありがとう爺や、兄様を助けてくれて…。
でも、あなたの腕が…。」
「若が無事なら、この腕の一本や二本どうということはありません。
ただ、その後の消息が不明で…。
……申し訳ありません、お嬢様。拙者が若についていながら…。」
2人、暖炉の火を眺めながら、黙り込む。
「そういえばお嬢様、ガロンの奴はどうしましたか?」
ジョウジが思い出したように声をあげる。
自分は、ガロンにお嬢様方についていろと言ったはず。
なのに、なぜとわお嬢様は独りなのだ?
つづく
とわ&GG共著