エピソード・別離 その伍 | 徒然とわ日記

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日々の暮らしの中、心に留まった事を綴ります(^-^)
雑記帳みたいなものです。
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「えー、それ、おっさん生きてるかな?」

ガロンの言葉に、わたしの背筋が寒くなる。

「馬鹿者!爺やがあれしきで死ぬはずなかろう!」

言い返したものの、わたしの胸に暗い雲がわく。


――爺やは仮にもハンターだ…。
大丈夫…大丈夫なはず…





――でも。わたしがあの時、無茶をしなければ!

爺やの忠告に従ってすぐに退いていれば―!



船の縁を拳で叩くわたしに、ガロンは言う。

「ガキの頃から思ってたんだけど。
お前さ、甘えすぎ。」

ワグナーはガロンをきっと睨む。
ガロンは動じることなく、ワグナーに向き合う。

「おっさんに甘えすぎだろ。」


…わかっている。
わたしは、彼の好意に甘え、頼りすぎていたのだ。

第一、わたしはもうあの屋敷の若様ではない。
本来、爺やはもう、わたしのお守りではない。



「…爺や…」

――無事でいてくれ…。どうか。



ワグナーは唇を噛み締め、涙をこらえる。


――わたしも男だ。
次に会うときまでには、 立派になってみせる…。

…爺やが安心して、自分の時間を生きられるような、立派な男に。



こらえきれず、一筋だけ、頬を涙が伝う。
ガロンが、ばしんと背中を叩いて去っていく。



今は、爺やはいないのだ。
甘えてはいけない。


――強く、なろう。



ワグナーは決心した。


   fin
   とわ著