「えー、それ、おっさん生きてるかな?」
ガロンの言葉に、わたしの背筋が寒くなる。
「馬鹿者!爺やがあれしきで死ぬはずなかろう!」
言い返したものの、わたしの胸に暗い雲がわく。
――爺やは仮にもハンターだ…。
大丈夫…大丈夫なはず…
。
――でも。わたしがあの時、無茶をしなければ!
爺やの忠告に従ってすぐに退いていれば―!
船の縁を拳で叩くわたしに、ガロンは言う。
「ガキの頃から思ってたんだけど。
お前さ、甘えすぎ。」
ワグナーはガロンをきっと睨む。
ガロンは動じることなく、ワグナーに向き合う。
「おっさんに甘えすぎだろ。」
…わかっている。
わたしは、彼の好意に甘え、頼りすぎていたのだ。
第一、わたしはもうあの屋敷の若様ではない。
本来、爺やはもう、わたしのお守りではない。
「…爺や…」
――無事でいてくれ…。どうか。
ワグナーは唇を噛み締め、涙をこらえる。
――わたしも男だ。
次に会うときまでには、 立派になってみせる…。
…爺やが安心して、自分の時間を生きられるような、立派な男に。
こらえきれず、一筋だけ、頬を涙が伝う。
ガロンが、ばしんと背中を叩いて去っていく。
今は、爺やはいないのだ。
甘えてはいけない。
――強く、なろう。
ワグナーは決心した。
fin
とわ著