怯える手
震えている
瞳は鹿の砂塵の中へ
緩めてあげよう、砂地に広がった縄を
背中を陽が暖め
なだらかな丘へ影はのびて
愛おしい涙は地に染み込み、あなたの鼓動に寄り添う
歌う鳥の声
こだまする、沈黙の慈しみ
慈しみ
怯える手
震えている
瞳は鹿の砂塵の中へ
緩めてあげよう、砂地に広がった縄を
背中を陽が暖め
なだらかな丘へ影はのびて
愛おしい涙は地に染み込み、あなたの鼓動に寄り添う
歌う鳥の声
こだまする、沈黙の慈しみ
慈しみ
水分がぬけきって、ひからびた音がきこえると
地面は重く重く沈む
石の冷たさを肘に感じるたびに
足の指が小刻みに震える
雨だれにもたれた、霞と風に
弱さに跪く、すみれの花よ
微睡みに喘ぐ、睡蓮の影に
鋭さに露に、息絶え
心臓の針金
この腕は足は、うなだれて
骨だけが意思をもち、ころがっている
稲穂の赤らみを
横腹の窪みが嘆く
お前の我が子は地に置いて
狼
燃える火がかけてゆく
えぐって髄に
静まりが聴こえるほど
先のものが白けるほど
しみて
鋭利な風がはいってくる
器はどこへいった
炎の器
湧きいるように
焦げたいのに
火種は宙をかすり
すり抜けてしまう
冷たいひらをなぞれば
いくらかの脈がさけぶ
熱を求めれば
狼が狐を喰らう