絵画鑑賞は大好物ですが、彫刻や工芸には何故かそれほど心惹かれない〝火打石〟
。
それでもこの頃は仏像や焼きもの(陶芸)に魅力を感じるようになってきていて…2015年の
秋、世田谷の静嘉堂文庫美術館で「金銀の系譜」展を鑑賞した際、美術館所蔵の曜変天目
茶碗(稲葉天目)を目にすることができたのも、いまとなっては天の啓示のように感じられる…
とはいえその年の夏、赤坂のサントリー美術館で開催された「国宝 曜変天目茶碗と日本の
美」展は見逃したのですが
。(この時藤田美術館の曜変天目茶碗を観ておけば、今年奈良
国立博物館まで出なくても済んだのに
) その世界で三碗しか現存しない曜変天目茶碗が
2019年春、同時期に公開される![]()
![]()
。(こちら参照)
静嘉堂文庫美術館「日本刀の華 備前刀」展。
「国宝 曜変天目も
併せて公開!」とのことでしたが、申し訳ないですが今回はこちらは観に行かなかった
。
奈良国立博物館の「国宝の殿堂 藤田美術館展」は先日鑑賞してまいりました
。って、
もうほとんど曜変天目茶碗を観に行ったようなものだったのですが
。この日は奈良国立
博物館から河内国一之宮 枚岡神社さんに向かい、京都国立博物館で「国宝 一遍聖絵と
時宗の名宝」展、京都文化博物館で「美を競う 肉筆浮世絵の世界」展を観てきた…大和、
河内、山城と廻ってもうヘロヘロ
。何をやっているんだか
…
そして今回の記事で鑑賞記を書くMIHO MUSEUMの「大徳寺 龍光院 国宝 曜変天目と
破草鞋」展。龍光院さんは京都市北区紫野にあるお寺さんで、臨済宗大徳寺派大本山の
大徳寺さんの塔頭寺院なのですが、所蔵されている曜変天目茶碗は“通常非公開であり、
鑑賞できる機会は稀である。”(←ウィキペディア「曜変天目茶碗」より) ならばこの稀な機会を逃す
わけにはいかない
。この思いが今回の近江旅行の原動力となりました。
甲賀市水口町の大池寺さんを参詣して、甲賀市信楽町田代桃谷のMIHO MUSEUMへ
。
この美術館のことは以前から気になっていたのですが、やっと足を運ぶ機会に恵まれた
。
駐車場に車を停め、レセプション棟でチケットを購入。(←「フロアマップ」参照 夫は車中で
一休み
) レセプション棟から美術館棟に移動するのですがその間徒歩で10分弱とのこと
…わぁ、広いんだこの美術館
。(電気自動車がレセプション棟と美術館棟の間を往復して
います。) 事前に美術館について予習して行かなかったので後から知って驚いたのですが、
この美術館、設計は先日亡くなられた世界的建築家 イオ・ミン・ペイ氏![]()
![]()
。(「建築」
参照) この方はルーヴル美術館のガラスピラミッドを設計した建築家として有名ですね。
(こちらの記事も参照なさってくださいm(__)m。) 〝火打石〟もそれで氏の名を覚えました。
緩やかに上る枝垂れ桜の並木道を進んで… (写真が暗くて申し訳ございませんm(__)m。)
トンネルを抜けて
吊り橋を渡って
美術館棟へ
美術館棟から来た道を眺めます。信楽の山に抱かれた美術館。
☝は美術館の内から撮影。
無事美術館棟に到着したは良いけれど、駐車場の混雑から感じていた悪い予感が見事に
的中![]()
![]()
…10時開館で、私たちがこちらに着いたのが10:20頃だったのですが駐車場には
既に多くの車が
。そして館内には長い列
…美術館のスタッフの方が待ち時間は1時間
ほどと知らせるのですが、さすが世界に三碗しか現存しない曜変天目茶碗、混雑が予想
されるので特別の展示室を設けたというのも頷けます
。
☝「破草鞋」とは破れた“わらじ”のこと。会場のキャプションにはこの特別展のタイトルに
ついて解説があったのですが、メモをとっていなかったのでうろ覚えになってしまった
。
申し訳ございませんm(__)m。「美術手帖」のこちらの記事には
展覧会タイトルの「破草鞋」とは、破れた草鞋(わらじ)を表す言葉。転じて、自らが学んだ
法や修めた道をちらつかせることなく、人知れず平凡に、ひとつの破れたわらじのように
生きていくことこそが禅の修行の境地である、という意味を持つ。
と記されています。
そしてようやく曜変天目茶碗の展示されている部屋へ…混雑のため一度に15人ずつ、1分間
の鑑賞とのことでしたが、それでもいい
、一目でも目にすることができるならば
。そんな
思いで他の14人の方と一緒に曜変天目の前に立ちましたが、その時真っ先に感じたのが
「稲葉天目(静嘉堂文庫の曜変天目)」と全然違う
写真で三碗を見比べていた時はこれほどその美しさに違いがあるとは正直わからなかった。
静嘉堂文庫の稲葉天目は碗の内側の輝きが硬質な感じでしたが、いま目の前にある龍光院
さんの曜変天目茶碗の輝きは柔らかい…ウィキペディア「曜変天目茶碗」の解説には、“国宝
とされる三椀の曜変天目茶碗のうち、最も地味なものであるが、幽玄の趣を持つとされて
評価が高い。”とありますが、そうですね、龍光院さんの曜変天目は幽玄、稲葉天目は荘厳、
といった感じでしょうか?。(あくまで〝火打石〟の感想です
。加えて奈良国立博物館で
鑑賞した藤田美術館の曜変天目の美しさを一言で言うなら“妖艶”でしょうか?。やはりこの
曜変天目も実際に目にしないとその美しさは到底わからないと会場で実感しました
。)
“漆黒の器で内側には星のようにもみえる大小の斑文が散らばり、斑文の周囲は暈状の
青や青紫で、角度によって玉虫色に光彩が輝き移動する。「器の中に宇宙が見える」とも
評される。”とウィキ「曜変天目茶碗」にありますが、本当にこれこそ“百聞は一見に如かず”、
1分だけとはいえこの目で龍光院さんの寺宝を拝観できて良かった![]()
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。駿府から信楽
まで出て1時間並んだ甲斐があった
…三碗すべてを鑑賞できた現在、その喜びを改めて
噛み締める〝火打石〟なのでした(;^_^A。






















