突然ものすごい音がする
乙吉
「んあ?」
だが気にせず畑仕事をしていると
乙吉老人の孫が慌ててやってくる
孫
「乙吉じいちゃ~ん
裏山に隕石が落っこちた~、じいちゃ~ん!」
乙吉
「ああ?」
耳が遠くて聞こえていないようだ
孫
「う~ら~や~ま~に!い~ん~せ~き!」
乙吉
「ああ?」
スーパーGUTSは巨大隕石を調査するためふるベ村に向かった
イーグル内部
コウダ
「いや~、落ちたのが村はずれの裏山で良かったな」
アスカ
「ええ、近くに民家もなかったようだし」
ナカジマ
「う~ん~、幸運だった」
ふるべ村
イーグル内部
ナカジマ
「ああ、ちょっ・・・
あれを見てくださいあれ」
村の人たちのほとんどが眠っていた
コウダ
「おばあちゃん! おばあちゃん」
あばあちゃん
「んえ~?」
今目を覚ましたようだ
釣り場
アスカ
「おい!」
心臓に手を当てる、生きているようだ
アスカ
「おいしっかりしろ!
大丈夫か?」
村人が目を覚ます
釣り人
「うわぁ!!」
坂道
ナカジマ
「駐在さん?ちょっ、駐在さん?大丈夫ですか!?
しっかりしてください!」
駐在
「うわあ!!」
ナカジマ
「あぁぁぁあああ!!」
駐在
「うわぁぁぁぁぁ・・・!」
自転車から転げ落ちる
が起き上がってナカジマを見て言った
駐在
「スーパーGUTSさん!!」
ナカジマ
「はい・・・
あ! あの、いったい何があったんですか?」
ふるベ村
コウダ
「覚えてない?」
駐在がうなずく
コウダ
「いいですか?村中の人が気絶をしていたんですよ?
それなのにどうして気絶したのかだれも覚えていないんですか?」
駐在
「はぁ、なんとも・・・」
老人
「裏山に隕石がおっこったのまでは覚えてるんだけどなぁ」
帽子をかぶった老人
「そんだ! こりゃぁ珍しいことだで!?
是非とも見に行くベと。」
村人全員
「んだんだぁ」
駐在が敬礼をしながら言った
駐在
「本官も隕石を調査せねばならんと、自転車に飛び乗りまして・・・。」
ナカジマ
「で、そのまま気絶していたと」
駐在
「・・・・」
アスカ
「ほらぁ、気絶する直前に何かみたとかぁ・・・」
老人
「ん~・・・。」
アスカ
「じゃあ何か聞いたとか?」
女老人
「そういや、なんか妙な音がぁ・・・」
アスカ
「妙な音?」
帽子をかぶった老人
「おお、音がしとったな!
なぁ!」
コウダ
「あの、どんな音を聞いたんですか?」
帽子をかぶった老人
「確か遠くでぇ・・・ラッパの音がしたようなぁ・・・」
コウダ
「ラッパ?」
白い服を着た老人
「いやぁ、あれはホラ貝の音じゃった」
コウダ
「ホラ貝?」
タオルを巻いた老人
「いぇいぇ ありゃ、太鼓の音だぎゃあ」
駐在
「思い出した! あれは火山の噴火の音じゃ!」
コウダ
「火山の噴火ですか?」
白い服を着た老人
「駐在、裏に火山はなかろうが!」
帽子をかぶった老人
「ラッパなら、小学校にあるでな?」
ナカジマ
「ちょっとコウダ隊員、いいっすか ちょっといいっすか
すっごいまじめな話なんすけど、ひょっとしたら・・・
村人全員
なんか悪いもんでも食ったんじゃないすかね?」
コウダ
「毒キノコでも食ったのか?」
釣り人
「スーパーGUTSさ~~~~~ん!」
アスカたちが声に反応する
釣り人
「見た人がおりますぅ」
コウダ
「誰が見たんですか?」
山の方を指さし
釣り人
「乙吉じいさんが見たって言うて・・・」
コウダ
「何を見たんですか?」
釣り人
「怪獣」
乙吉じいちゃんの家
乙吉
「わしがぁ、一仕事終えて、ここにぃ・・・立っとりますとなぁ」
コウダ
「ええ・・・」
話によれば、仕事中に怪獣が山の間を通って行った と言うのだ
コウダ
「おそらく、あの隕石と一緒に来たんだろう」
アスカ
「その怪獣はぁ 何かしませんでしたかぁ
こう、なんか・・・妙な音出すとか」
乙吉
「はぁい、82になりますぅ」
アスカ
「は?」
ナカジマ
「いや、そうじゃなくて」
駐在
「ちょっと失礼・・・」
乙吉の元に駆け寄り、耳に聞こえるよう大声で言った
駐在
「と~く~しゅ~な~お~と~を出さなんだかのぉぉぉぉぉ!!」
乙吉
「わしがぁ?」
ナカジマ
「いやいやいや」
駐在
「か~い~じゅ~う~!」
乙吉
「えんやぁ、ただ大きなあくびを
ほぉ、ほあ、 あの通り」
と、指を刺した先には、怪獣がいた
バオーンが鼻から特殊なガスを噴射した後 鳴いた
バオーン
「ば~お~ん」
乙吉以外全員眠ってしまった
乙吉
「ど、どうなされたみなさん」
スーパーGUTS基地
ヒビキ
「なにぃぃ!! 眠らせ怪獣・・・・
バオーン?」
コウダ
「はい、私もナカジマも、それと
アルファ号と一緒に村に残してきたアスカたちも、身をもって体験しました
バオーンの声を聴くと皆、一発で眠ってしまうんです」
マイ
「じゃあ、村の人たちが聞いたラッパみたいな音っていうのは
バオーンの鳴き声だったんですね」
コウダ
「ああ、バオーンはまだ落下の衝撃でぼんやりしているらしく
今のところはおとなしくしてるんです」
ヒビキ
「う~ん、ひょっとするとそいつはぁ・・・
史上最強の怪獣かもしれんな」
リョウ
「え、なぜですか?」
ヒビキ
「眠ってしまえば誰も攻撃できないからな、うん」
リョウ
「はぁ・・・・・」
ヒビキ
「まずはバオーンを鳴かせないようにすることだが・・・・」
ナカジマ
「出来た! 新発明っすよ、自動音声変換調整機 名付けて・・・
声変わり」
わかりやすくいえば、ヘッドフォンに改良を加えたものである
コウダ
「声変わり?」
ナカジマ
「ええ、対バオーン用の装備です
使えばわかる」
カリヤ
「このデータを見る限り、バオーンに・・・」
コウダ
「あっはっはっはっはっは」
カリヤ
「どうしたんです?
コウダ隊員、何が可笑しいんですか?」
ナカジマ
「はははははは、あ~あっと」
ヘッドフォンを外す
ナカジマ
「つまりですね・・・これをつけますと」
ナカジマ隊員の声が変わる
ナカジマ
「集音声が変換されて違う声に聞こえるんです」
一同が笑う
ナカジマ
「まあ、これさえありゃ、バオーンの鳴き声聞いても
眠る心配ありませんて」
アリ
「んん、素晴らしい!」
フカミ
「紹介しよう
こちら、国際シンボジエムのため来日中の ムスタファ・アリ博士だ」
ナカジマ
「ムスタファ・アリって・・・あの・・・」
リョウ
「天才動物学者のアリ博士?」
アリ
「皆さん、よろしくください」
フカミ
「動物学者としての彼の研究が
今回の怪獣対策に大きく貢献していることは、皆も知っての通り
そこで、彼の経っての希望もあり今回君たちの作戦行動に同行することになった」
ヒビキ
「総監ちょっと待ってくださいよ」
アリ
「隊長さん、わたくし今、怪獣のコミニケイシンを研究しております。」
ヒビキ
「コミ・・・?」
アリ
「怪獣にも人間と同じく好きな色や音楽があります
バオーンは暴れてない、バオーンは優しい
でも私は、バオーンとの心、通じ合わせたいんです
でも、苦手な研究はとても・・・迷惑
とても危険です」
カリヤ
「当たり前だ」
アリ
「ヒーッヒッヒッヒ
ですから、私はバオンを、アラスカに運びたいんです
そして、そこで友達なります
研究します!」
ヒビキ
「総監!」
フカミ
「ということだ!」
ナレーション
「こうして、スーパーGUTS始まって以来の
怪獣捕獲作戦が開始されることになった」
イーグル内部
コウダ
「ふるベ村に到着するぞ」
アリ
「いやっははっははっはははは!」
あまりのうるささに、耳をふさぐリョウ
ふるベ村
コウダ隊員は、赤、黄色、青の3色の巨大な旗を持ってきた
バオーンはまだ寝ている
・・・・・目を覚ました
アリ
「黄色!」
コウダ隊員が、黄色い旗を持ち、左右に振った
反応がない・・・
アリ
「青プリーズ!」
次は青を手に持ち、振った
反応がない・・・
アリ
「次、赤プリーズ」
赤の旗を振った
バオーンの目がさえる
アリ
「赤です、赤に反応しました!」
コウダ
「チェックワイヤー作戦開始、赤色」
カリヤ
「ラジャー
アスカ、出番だ、赤だ」
アスカ
「ラジャー!」
ジープに乗って、風船を引っ張る
バオーンが風船を追いかける
コウダ
「よ~し、バオーンの足が見えたぞ」
アスカ
「早くしてくれ!」
カリヤ
「今だ!」
ワイヤー状のものを射出、バオーンの足を捕らえた
バオーンが転ぶ
風船が空へ飛んでいく・・・・
鳴きそうになるバオーン
ジープを止めて、降りて、バオーンを慰める
アスカ
「鳴くなぁ!」
コウダ
「次はジャイアントマスク作戦」
アリ
「あれはなんですか!」
コウダ
「マスクです」
アリ
「ん?」
コウダ
「鳴き声を封じると同時に、あのマスクからバオーンの鼻の穴に向かって
睡眠ガスが噴射されます」
目を覚ますバオーンはマスクを食べた
コウダ
「あ!」
アリ
「あああああああああ!」
まずいとおもったのか、吐きだし、ガスを噴射させた後
鳴いた
バオーン
「ば~お~ん」
アスカ
「ま、まずい!」
村人全員眠ってしまった
ふるベ村 夜
コウダ
「どうもみなさん、ご迷惑をお掛けしてしまって・・・・」
乙吉
「ああん!?」
コウダ
「ご迷惑をお掛けしちゃってすみません!!」
女老人
「なんの、わしらが勝手にやってる事じゃ」
コウダ
「渋柿ですねこれ」
老人
「ん~、甘い甘い」
リョウ
「マスクは食べられちゃいましたけど
睡眠ガスはお腹の中で効いたみたいですね」
コウダ
「ああ、明日の昼ぐらいまではぐっすりだろう」
アスカ
「うんめぇ~!
これなんすか?」
若い女の村人
「裏山に生えとる、初茸ってな」
アスカ
「ん~、うまい!」
カリヤがキャンプを除く
アリ
「ぐがああああああああああああ、ぐおおおおおおおおおおお」
カリヤ
「だから声変わり外すなって言ったのによぉ」
村人
「はい」
鮭の塩焼きを渡す
村人
「近くでバオーンの直撃を食らったそうですなぁ」
カリヤ
「ああ」
アスカ
「カリヤ隊員、これうまいっすよぉ!」
アスカが初茸を両手に持ってくる
カリヤ
「1つずつ食えよ・・・」
ボロボロこぼれている
カリヤ
「ボロボロこぼすな!」
コウダ
「駐在さん、念のため今夜一晩だけ
村の人たちを公民館へ避難させていただきませんか?
明日の朝にはバオーンの輸送を始めますんで」
駐在
「了解いたしました」
ナカジマ
「コウダ隊員~~~~!」
コウダ
「来たか!」
ナカジマ
「出来ました出来ました!
輸送の際の万が一に備えて、ほら見てください」
コウダ
「さっそく皆さんに配ってくれ」
ナカジマ
「了解!」
駐在
「お手伝いします」
皆に配り終わると、一斉に笑い出した
コウダ
「やれやれ、まったく困ったもんだ」
女老人
「わしらぁ、なんも困っておりませんがぁ
村の時間は、ゆっくりですけんのぉ・・・
いつ昼寝しても、誰も文句は言いませんがぁ」
翌朝
ナカジマ
「大変だ~! 大変だ~! 痛いたいたい・・・!
大変です、バオーンが・・!」
コウダ
「よし行くぞ!」
神社
コウダ
「ナカジマ急げ!」
ナカジマ
「待っ、待って待ってください!」
神社前
カリヤ
「おい、あれは風船じゃないんだぞ!」
リョウ
「また遊んでくれると思ってるんだわ」
イーグルジェットが4人の頭上を飛んでいく
ナカジマ
「アスカ!」
ジェット内部
アスカ
「バオーン、町に行っちゃダメだ!」
風船を爆破させる
バオーンが残念そうな顔をする
アスカ
「へっへ~」
ガッツイーグル内部
コウダ
「リョウ、バオーンに麻酔弾を撃ち込め!」
リョウ
「麻酔弾発射!」
バオーンはその場に倒れ込んでしまった
ガッツイーグル内部
ナカジマ
「はぁ・・・・」
コウダ
「よっしゃ!」
だがすぐ起き上がった
リョウ
「効いてない?」
カリヤ
「昨日の睡眠ガスで、慣れてしまったんだ」
バオーンは逃げて行った
アスカ
「よし、そうだバオーン! そっちへ戻れ
・・・・・あ」
カリヤ
「テントに、ムスタファがいた!」
リョウ
「えええ!」
アスカ
「はわわわ!」
コウダ
「いかん、間に合わん!」
PAL
「自動操縦になりました」
ダイナが地上に降り立った
バオーンを食い止めるダイナ
だが重みで押しつぶされた
ダイナはストロングタイプにチェンジし、バオーンと遊んだあと
バオーンが鳴いた
ダイナが眠る
バオーンが叩いたりして起こした
ダイナはすぐ起き上がり、バオーンを投げ飛ばした
だがまた鳴いた
ダイナが倒れる
だがすぐ目を覚ましてフラッシュタイプへと戻った
ウルトラバルーンを作り出したダイナ
バオーンは興奮、取ろうとしたら
ダイナに抱かれて宇宙へと帰って行った
コウダ
「ありがとう、ダイナ!」
乙吉
「お~~~~~~い、また来いよ~~~~」
女老人
「またおいでよおおおお」
老人
「またこいよ~~~」
カリヤ
「また来い~!?」
コウダ
「いいんだよ
この村はどんなものでも受け入れる
俺達スーパーGUTSも怪獣も・・・バオーンを宇宙に返してやったのも
この村にそんな優しさがあるからだ」
アスカ
「おーーーーい
おーーーい!」
ムスタファアリに向かって行った
アスカ
「バオーン、帰っちゃいましたね~!」
アリ
「えっ!? 僕のバオーンどこですか!?」
一同
「あはははははは」
バオーン
「ば~お~ん」
そしてまたみんな寝た

