海外のサイトを見ると、
フェレットの食べ物の好みは生後半年から一年の間に決まると書かれています。
記事の最後に追記した文献では、新しい匂いを覚えるのは生後3ヶ月前後とされています。


まずフェレットを飼い始めたときは、ショップで与えていたフェレットフードをそのまま与えると思います。(最初は3種類くらいブレンド?)
複数の種類を勧めるのはただのセールストークではないことは下で説明されています。でも変なサプリメントは商売のためなので不要。森の動物シリーズやフェレットプラスみたいなヘタな国産のではなくメジャーなフェレットフードであればサプリは不要とされています。

少しずつ大きくなってきたら、主な原材料でいま与えているフードと違う肉(チキンを与えていたらビーフやラム、サーモン等)を少しずつ混ぜて与えてみましょう。ジャーキーでもいい。
色んな味のものに慣れさせてあげれば、何でも食べてくれる、もしくは、少なくとも複数の種類を食べられるフェレットに育ってくれるはずです。

これが、1歳前後で好き嫌いの刷り込みが完了するまでにできていれば。フェレットは味覚より嗅覚ファーストです。より正確に言えば味の選好ではなく匂いの好き嫌い。

我が家はもう何十種類トライアルしたか分かりませんが、フードの泥沼にハマったのは上2頭が1歳を超えてからでした。ジャパンプレミアム/シェパグリ/トータリーといったフェレットフードにカ×ガンとワイルドレシピチキンキトゥンを追加した5-6種類。それでも恐らく色んなフレーバーを試したことになったのでしょう。ジャーキーも色んなお肉を試しました。




「みんなが与えているフードを試してみたいけど…」
「病気になってから、他のフードに切り替えたい」
「飽きたのか、あんまり食べてくれなくなった」
「ミックスしているけど、特定のフードしか食べなくなった」
とフードが気になってから試しても、中々食べてくれないという話はよく聞きます。
グルメといえば聞こえはいいけど、1年前後での"刷り込み"によるものであれば、それは飼い主の配慮不足でグルメにさせてしまったともいえる。飼い主にとって他責(フェレットの性格)ではなく自責としてね。




いまの世の中、サンプルは簡単に手に入ります。

フェレワ(フェレットワールド)には【お試しフード】としてフェレットフードのサンプルを30gで販売しています。https://www.ferretworld-webshop.jp/

キャットフードに関してはたまのおねだり  https://www.tamaone.jp/にサンプルセットがあったり。

他の飼い主が与えているフードをお試しでもらってみるとか。我が家もシェアしていろんなフードを試してみました。
(食いしん坊だから基本的に全部食べてくれるいい子たち。)



因みに、いきなり新しいエサを与えて「食べなかった」と判断しないこと。いまのフードに少しずつ混ぜていく、目安は全体の10%〜20%程度から。10%って10粒のうち1粒。ごく僅かに忍ばせて「知らずに食べた」という既成事実を作る。それから少しずつ増やしていく。フードの切り替えには時間のかかるものです。

また、1粒目は口の中に入れてみるのもひとつ。食べようとはしないけど口に入れたら食べることはままあります。初見で受け入れないときは分かりやすくベーします。舌で押し出されてしまった、しかしその過程でもフードの味や味覚を一旦は身体が受け止めたとも考えられますね。前向きにいきましょう。


ぜひ1歳になるまでに、世の中にある色んなフードを見て、予算・栄養・産地・原材料・供給安定性などなどいろんな観点から自分にとってベストなフードを選んで与えられるようになればと思います。その方が後悔しないと思います。

複数のフードを食べられるようにすることは供給安定性のリスク回避としてももちろん大事だけどね、できれば前向きな意味でも取り組みたい。


2019.9.7追記
フェレットは嗅覚が生後3ヶ月から1年の間に発達して、その後は食べたことのある獲物の臭いにしか反応しなくなるようだ。ネオフォビック(新しいもの嫌い)なので、お迎えしてふやかし卒業したら、ほんのすこしずつでも(段階的に)色んな臭いに慣れさせた方がいいみたい。

"生後2か月目から、若いフェレットは巣を離れ、周囲を探索し始めます。  (その年齢の動物の中には既にネズミを殺すことができるものもあります。)"


"フェレットは生後4か月間、巣を捨てて孤独な生活を始めます。 すべてのフェレットは獲物を殺すことができます。"


"フェレットは獲物の匂いを嗅ぐ必要があることを示唆しています。 検索行動で嗅覚刺激に反応する先天性の年齢依存の準備があるようです。 この準備は、若い動物が母親の家族を離れ、孤独に生き始める3か月齢のフェレットで最も強力です。"



"フェレット 12ヶ月齢(生殖年齢)で、各試験グループのすべての動物は、既知の臭気が提示された場合にのみ検索反応を示しました。"


Apfelbach, R. 1978. A sensitive phase for the development of olfactory preference in ferrets (Mustela putorius furo L.) Z. Saugetierkunde 43:289-295.


一方で、おとなになってからでも新しい餌(ニオイ)を受け入れてくれる可能性もある。

"この結果は、フェレットが獲物の匂いを刻む2か月目と4か月目の間に敏感な段階が存在することを裏付けています。 さらにこの研究は、新しい獲物に対する大人の可塑性と、新しい獲物の匂いが学習できることを示唆しています。 最も強い反応は、2、4カ月目に受け取った餌の臭いに対するものでした。"


Apfelbach, R. 1986. Imprinting on prey odors in ferrets (Mustela putorius F Furo L.) and its neural correlates. Behavioral Processes 12:363-381.




"Ferrets imprint on their food during the first year of life so they should eat a mix of kibble and meats so they become accustomed to different flavors. This becomes especially important during illness, as fussy eaters are difficult to feed. "
(American Ferret Association FAQ http://www.ferret.org/read/faq.html)

"Ferrets imprint on their food at around six months old. This can make introducing new foods to an older ferret a challenge, and even simply changing brands of kibble may meet with resistance from a ferret that has never eaten the food as a kit. It is therefore advisable to expose young ferrets to as many different types and flavors of appropriate food as possible.[26]"
*因みにwikiの出典がAFAの上記サイト


幼少期ベビーの頃から情報を探しまくるような人でもない限り、この記事が読まれることはない…
色々調べだす頃には飼ってるフェレットが1歳以上だろうから、このネタは「時すでに遅しですよ」と突きつけるようなもんだから、商売したい人にとってはむしろ隠したい不都合な真実かな。

どのフェレットフードの紹介サイトもアフィリエイト目当てなのか、"Wikiにすら書いてある"レベルのことを書いていなくて残念。フードの好き嫌い云々の前に、嗜好が決まる前にすべきことがあることを知って欲しいです。


フェレットフード/キャットフードの1グラム(1g)当たりの単価でコスト計算してみる記事。