この画像から「T」を素早く探しだすには?特定の要素を無視することで、目当てのものを見つける能力が高まる(米研究)



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 目で何かを探しているときに、無視するべき要素をあらかじめ知ることで、より素早く目当てのものを見つけられることが、『サイコロジカル・サイエンス』誌に発表され最新の研究で明らかになった。いわば「無視する技術」である。

 効率的な探し物には、目当ての対象について把握するのと同じぐらい、探す必要のないものについて知ることも重要なようだ。


 米ジョンズ・ホプキンス大学の心理学者らは今回、コンピュータスクリーンに映し出された異なる色のアルファベット文字の中から、特定の文字(記事の例に出されているのは「T」だが、実際の実験では「B」または「F」)を被験者たちに探してもらった。

 実験は、被験者に見つけるべき文字が「◯色ではない」という情報を与えるケースと、何の情報も与えないケースがあり、複数回にわたって実施された。その結果、「◯色ではない」という情報を与えられた被験者は、最初こそ戸惑ってかえって文字を見つけるのに手間取ったが、回数を重ねるごとに、情報を与えられていない被験者と比べて見つけるスピードが早くなったという。

 研究者によれば、これは私たちの注意力や集中力に関係しているという。つまり、重要な事柄をいかに判断して処理するかが注意力の要だと考えられているが、同時にその重要な事柄を妨害する要因を無視・抑圧することも必要だということだ。

 また、特にこうした無視する技術は、放射線医や空港の荷物検査係など、視覚探索能力を求められる職業の人にとっては役立つだろうと研究者は話している。

 それを体感できる動画がこちらである。




How the Art of Ignoring Makes People More Efficient



■動画内解説

人は「何を無視するべきか」を知ることで、より早く目当てのものを探せることが、ジョンズ・ホプキンス大学の研究によってわかった。

この中から「T」を見つけてください

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この中から「T」を見つけてください (赤ではありません)

探し出す3

赤い文字を無視するのに苦労しましたか?

今回の研究で、特定の情報を無視しようとすると、最初は探索スピードが落ちるが、練習を重ねることでより早く効率的に探せることがわかった。




<カラパイア 記事より>







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