半透明の体に赤い目がキュート!海にいるクワガタみたいな甲殻類「ウミクワガタ」



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 クワガタそっくりなんだけど、半透明の白色をしていて、おめめが赤い、なんて素敵な甲殻類。その名も「ウミクワガタ」と言うのだけれど、もちろん地上に住むムシキングなクワガタとは完全なる別種である。

 体長は5ミリ程度とちびっこいのだが、雄成体はクワガタムシのように大顎が発達し、そのつくりは精巧にできているんだ。

幼体は魚に寄生し体液のみをチュウチュウ吸いながら成長する。成体になると食事はいっさい摂らず海底で繁殖のみを行う。

画像ソース:ソメワケウミクワガタ Gnathiidae 志津川


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ウミクワガタの美しい画像を撮影した「美しい海が永遠でありますように 」さんのサイトには、他にもみずみずしい水中生物をたくさん見ることができるよ。


ウミクワガタ類のライフサイクルは、魚類に寄生するプラニザ幼生と、海底で何も食べずに繁殖のみを行う成体で、大きく2つに分けることができる。ライフサイクルが1巡するのに、2ヶ月から数年と、種によって様々である。雌より雄の方が長生きであるという報告もある。ホンソメワケベラによく捕食されるようでそのお腹から沢山のソメワケウミクワガタが見つかることがあるそうだ。

オスの成体
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メスの成体
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右下はプラニザ幼生
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 ウミクワガタ類の分布は広く、潮間帯、汽水域、干潟、南極や水深約4000mの深海まで、世界中の海から報告されている。しかし、ほとんどの種は全長1cm以下と小さく、プラニザ幼生の寄生時以外は海底の目立たない場所に潜んでいるため、人目につきづらい。したがって、今後多くの未記載種が発見されると考えられる。


極小!ウミクワガタ 宮城県志津川





<カラパイア 記事より>