胚の化石、南アで最古の恐竜の巣
南アフリカの国立公園で、世界最古の恐竜の巣が見つかった。この場所では以前、最も古い恐竜胚（写真）も発掘されている。ゴールデンゲートハイランズ国立公園（Golden Gate Highlands National Park）の切り立った崖で発見された巣は10個。いずれの巣でも卵がきちんと並べられていた。以前発見された胚と今回の巣の年代は1億9000万年前までさかのぼる。
ジュラ紀の初期、この一帯では草食恐竜マッソスポンディルス・カリナトゥス（Massospondylus carinatus）が営巣していたようだ。世界各地で確認されているほかの恐竜の営巣地より1億年以上古いという。
最古の恐竜胚が発表されたのは2005年。研究チームの一員でカナダにあるトロント大学ミシサガ校の古脊椎動物学者ロバート・ライス氏は、「次に、同じ場所の岩壁で胚と巣を探すことにした」と振り返る。「現場をくまなく調査した結果、驚くべきことに巣が10個も見つかった」。
今回の研究成果は、「Proceedings of the National Academy of Sciences」誌オンライン版に1月24日付けで発表されている。
Photograph courtesy D. Scott
＜ナショナルジオグラフィック 記事より＞