悪魔の装い、新種のテングコウモリ
ベトナムで最近発見された新種のテングコウモリ。悪魔を連想させる体毛の配色から、魔界の王子「ベルゼブブ」にちなみ、ベルゼブブコウモリ(英名:Beelzebub bat、学名:Murina beelzebub)と命名された。
「頭部から背部の体毛は黒く、腹部は白い。この地域では、これほどコントラストがはっきりした体色のコウモリは他にいない」と、調査に参加した生物学者ガボール・チョルバ(Gabor Csorba)氏は話す。同氏はブダペストのハンガリー自然史博物館に所属している。
また、同じく調査に加わった自然保護団体ファウナ・フローラ・インターナショナルの生物学者ニール・フューレイ氏によると、悪魔に由来する名前に反して基本的には臆病な性格だという。普段は人間を避けて熱帯雨林の奥地に生息しているが、捕獲されるとどう猛さをむき出しにすることもある。
「危機に際した彼らの対応は、“一に逃避、二に抵抗”。手で捕まえると必死に逃げようとするが、無理だとわかると攻撃してくる」とフューレイ氏は説明する。今回の東南アジア調査では3種の新種テングコウモリが発見され、「Journal of Mammalogy」誌8月号に詳細が掲載されている。
Photograph courtesy Gabor Csorba, HNHM
<ナショナルジオグラフィック記事より>