ジャガーXJ220
スーパーカー好きの間では一番有名なジャガーではないでしょうか。
このスタイリング・・・、まるでレーシングカーそのものです。
ネーミングの由来は、最高時速220マイル(時速約352km)を目標としていたことによる。
元々はジャガー社内のエンスー的技術者たちによる、趣味的サークルが発端なんだそうです。
まるで、幻のスーパーカーといわれるランボルギーニイオタみたいな生い立ちですね!
1988年、プロトタイプがバーミンガムショーにて公開されました。
ボディのデザインは、幻に終わったレーシングプロトタイプ「XJ13」をモチーフとし、当時TWRに在籍していたイアン・カラム氏が手がけました。
ご存知の方も多いでしょうが、イアン・カラム氏は新生アストンマーチンのデザイナーとしてあのV12ヴァンキッシュを生み出したカーデザイナーで、現在はジャガーのデザインディレクターとして新型XJを生み出した人です。
新型XJはジャガーらしくないと世間では言われていますが、XJ220をデザインした人の手によるものだtったんですね~。
ジャガーらしく、レーシングカーに準じた性能とは裏腹にインテリアはコノリー社製高級レザーハイドのトリム、ウィルトン社製のウールカーペットなど豪華なものだったそうです。
ショーデビュー当初はまだ市販が決定していなかったが、たちまち1500台に及ぶ注文が殺到し、のちにTWRとの連携で市販が決定したそうです。
そのまま1500台以上売れたら今のジャガーも違ったのかもしれませんね。
当初XJ220は、6.0LV型12気筒DOHCをミドシップレイアウトで搭載したフルタイム4WD車になる予定だったそうですが、生産化が正式に決定した後に重量があまりにも大きくなる事がわかり、やむなくグループCカーのXJR10に使用されていた3.5LV型6気筒DOHCツインターボエンジン(540PS)をミドシップレイアウトで搭載することとなったそうです。
グループCカーのエンジンそのまま搭載しているだなんて驚きです。
目標の最高時速220マイルには届かなかったものの、最高時速は347kmで当時としては世界最速!!
0-100km/h加速も僅か3.9秒と、高いポテンシャルを持っていました。
その市販モデルはなんと1991年の東京モーターショーで発表。
価格は29万ポンド(約6000万円)で、当初は名前にちなんで限定220台の予定だったが、世界的な好景気により注文が殺到して急遽生産台数が350台にまで引き上げられました。
希少性も必要でしょうが、1500名も欲しいと注文が殺到したのだから売れば良かったのにね。
もたもたしているうちに、実際のデリバリーは1992年まで遅れてしまい、時は世界的不況に突入。
さらには当初予定していたV12エンジンが搭載されないことへの不満や、同時期にTWRが発表したジャガーXJR-15と市場が競合してしまったことなどから、最終的には281台ほどしか売れず、その高いポテンシャルにもかかわらず、マーケットでは成功を収めることが出来なかった。
タイミング悪い時に登場した不幸なモデルですね。
ちなみにこのジャガーXJ220、日本への正規輸入は無かったようです。
十分過ぎるヒストリー、スペック、デザインで、後世に残る名車となるに十分な素質を持ちながら脚光を浴びる事が出来なかった不幸なスーパーカーですね。
新車同様のこのジャガーXJ220が、2000万円~3000万円位で中古車雑誌によく出ています。
長い事出ているので売れないんでしょうね。
このジャガーXJ220がフェラーリF40やエンツォみたいに脚光を浴びていれば、英国を代表するスポーツカーメーカーのジャガーとしてその後の商売も上手くいったのではと思えてなりません。
タイミングって本当に大事ですよね。
2000万円~3000万円位ででこれだけの名車が手に入るのなら安いのかもしれませんね!
本来であればプレミアもついて億単位しても良い車なんじゃないでしょうか・・・。