Ben StillerのWikipediaより

「1998年の『メリーに首ったけ』と2000年の『ミート・ザ・ペアレンツ』の大成功により、アメリカは元より日本でも人気スターとなる。同時期に、『GQ』誌やHollywood.comなどとのインタビューで双極性障害を患っていることを告白したが、現在では「あれは冗談だった」と前言を撤回している」

 

この記述をよむと、精神疾患というものが、いかに怪しい存在であるかがよくわかる。冗談として軽く受け流すことのできる場合はよいが、このことで無駄な投薬や通院をさせられ、人生が悪い方向に変わった人もたくさんいるので、そうやすやすと怪しいですますことはできない。

 

医師をはじめとする医療関係者たちは、このことをどう考えているのだろうか。

 

私がもし医師だったら、多くの人々を敵に回してしまうような「冗談」は早く消滅させるべきだと考える。

 

ところが、実際は、医療産業のビジネス的戦略として、うつ病ブームから発達障害ブームを導いたこの双極性障害ブームはかなり成功をおさめた。例えばルラシドンという薬。

 

非定型抗精神病薬「ルラシドン(商品名ラツーダ」」の特許が切れて、開発した住友ファーマが巨額の純損失を出したというニュースが2024年7月の新聞に載っていた。この薬は、双極性障害のうつ症状に適応があるとされている。

 

双極性障害にはリチウムが効くと言われていたが、安価のリチウムではなく、非定型抗精神病薬のオランザピン(商品名ジプレキサ)が使われ始めた。ルラシドンはこの延長上にある薬である。

 

うつ病の増加が抗うつ薬SSRIの開発とその売り込みが原因であることはよく知られている。双極性障害もまた非定型抗精神病薬の開発とその売り込みが増加させたのである。住友ファーマの収益の柱の一つがルラシドンだった。

 

私は、双極性障害ブームにはまった心療内科医に、自律神経失調症から双極Ⅱ型障害への診断変遷を経て、オランザピンを処方されたことがある。信じられないが、私には社会的障害が0だったのにである。

 

結局のところ、私は全く精神的に正常かつ身体的な健康を保っていたので、正直こんな薬を飲むと、様々な作用で、本当に精神疾患のような状態になった。それを、他の医師も双極性障害と追認するだけなので、全くの害悪でしかなかった。

 

このような事情は、精神医療のダークサイドとして様々なルポルタージュがある。本当に、このようなことは、社会的害悪でしかない。

 

ルラシドンをはじめ、SSRIなどこれらの薬は本当に効くのか?

 

「いやあ、でもこれだけ売れる薬だから、やっぱり効くのでは?」「効かないのであれば、それは診断が間違ったのだ」

 

精神医療の現場を知る私にとって、これらの言動は製薬会社や医療界のプロモーションが成功しているに過ぎない。とにかく、薬は効かないのである。治験のデータというのはいくらでも操作できる。

 

精神医療の診断がどれだけでたらめかは本当に明らかなのだが、なぜ精神医療が業界として存続するのか。それは、それで食べている人たちがいるからである。薬効や治療の科学的根拠は霊感商法のメカニズムとほとんど変わりがないのであるが、業界が食べていくからにはかなりの組織力でいわば公的な詐欺が続いていく。

 

利権によるブームに巻き込まれた医師は、全くその能力の低さが露呈してしまうことも目撃した。

 

Ben Stillerが「双極性障害が冗談だった」というのも、このブームに製薬業界のプロモーション活動が作り出したものだいうことを印象づける。

 

この頃は、小児双極性障害が8年くらいで40倍もの患者数増加がみられた。素人でもそんなことはおかしいと分かる。

 

小児双極性障害の権威、ハーバード大学教授が製薬業界からお金をもらっていたというニュースもこの少し後に話題になっていた。(日本生物学的精神医学会誌 21 巻 3 号)

 

私にとっては、いや多くの精神医療の金づるになっている人々にとっては、双極性障害は冗談というより全くの社会的害悪でしかない。