1分で話せ 伊藤羊一
1 なぜ頭が真っ白になるのか
相手に何か言われた時、何か言わなければならない時に頭が真っ白になって言葉が出てこない、ということが少なくありません。
焦りやストレスに伴い分泌される「ノルアドレナリン」が過剰だと思考が停止してしまうということは知っていました(なお適量であれば能力をさらに引き出せる)が、ではどうすればストレスを感じることがなくなるか。
一つの対策として、相手の話の「ピラミッドストラクチャー」を意識するということです。
メラビアンの法則にあるように、相手の態度、口調、声のトーンで相手の言うことを信じてしまいやすい現象があるので、それに騙されることなく、相手が何を言いたいのかを「結論」「根拠」「事実」に基づいて吟味する。
…ただ、これについてはまだまだ練習しないといけないです。
逆に生活していて私がぽろっと言ったことに対してすぐに「おい」と反応できる人は(良い意味でもイヤミな意味でも)すごいと思うので、彼らのように即切り返せる技量をつけたく、しかしまだまだ途上なので、読書を通じて身につけられればと思います。
2 配慮はしろ。遠慮はするな。
配慮と遠慮は違います。
配慮とは、相手と自分の立場を弁えること。
遠慮とは、自分を殺して押し黙ること。
遠慮するのであれば、そこにいないのと同義。
自分と相手の置かれた状況の違いや意見の相違を踏まえた上で自身の意見を述べることが大事なのです。
批判や不寛容は馬鹿でもできる。
許容や理解は品性を伴った者でなければできない。
D・カーネギー「人を動かす」で語られていたことです。
もし自分が思う最大の配慮をした上でそれでも逆上するような相手なら、その程度の相手だとして見下してやればいいのです。
3 目の前の相手に届ける
例えば会社で数十人を相手に語る機会があった場合。
「皆さん」という言葉にどのような意味を込めるか。
何も考えず、ただ「皆さん」と発するのか。
「一緒に働く仲間」との意識を持って「皆さん」と言うのか。
その違いはたった一文字でも印象ががらりと変わります。
「おはよう」をぶっきらぼうに言うのか、最適な笑顔でもって言うのかでも違うのと同じ。
「届ける」意識があるのとないのとで、声にも自然と違いが出るものなのです。
今回の内容は自分がまだまだできていないことばかりで、また日頃の嫌なことが思い出されることもあったので、読んでいて自信を失くすような、自己嫌悪になってしまいそうな瞬間が幾度かありました。
ただ、できていないことに対してどう改善していくべきかの「足掛かり」ができた、身のある読書でした。
言うなれば「長期投資型読書」ですかね。
負けじと頑張ります。