コインのネタが無いので、たばこが進みますニヤリ

以前もエステーデュポンのライターの記事を書きましたが、

 

案外アクセスもあったりと人気?のシリーズなのであります。

 

コロナ禍以前に比べてライターの値段も格段に上がり、デュポンのHP上での定価が、ライン2のバーティカルラインのシルバーが18諭吉!と、恐ろしい値づけとなっております。

※昔はドンキで普通モデルで5諭吉くらい。。

 

まあ、それもそのはず、世間は喫煙者への風当たりは強くなる一方。。。

ヤフオクなどでも「禁煙の為出品です。。。」とか言う文字が並びます。

しかし!

ここは昭和な漢、辞めるどころか「継続は力なり!」かっちゃんはここぞとばかりに憧れのデュポンライターを物色しているのであります。

 

今回は、まだ手持ちが無い”漆(ラッカー)”のデッドストックのモデルをGET致しました。

S.T. Dupontといえば、「キィィィ〜ン!」とキャップを開けたときの響きが有名ですが、シモン・ティソ・デュポンというナポレオン3世のカメラマンであった人が旅行鞄を作り始めたのが最初だそうで、ライターからという訳ではないそうな。

もともと上流階級とお付き合いがあった彼の鞄はたちまち上流階級に人気となったそうな。

1935年頃、鞄(の恐らく付属品や装飾)の重量を軽減するためにエナメルから漆を使用し始めたとのこと。

そして、1941年、パティアラのマハラジャが純金のライターを注文したそうです。第2次大戦のおり、旅行鞄は作りにくくなり、オイルライターの製造にシフトしていったそうです。

 

コインにもカラフルなトーンが付加価値とされますが、デュポンのライターを開いたときの「ピンッ!」という澄んだ音、”ping”音は紛れもなくタバコに火を付ける際の付加価値であり至福の時でもあります。

この開閉音(正確にはキャップを開く時に鳴る音ですね。閉じた時も「カンッ!」と云います。)、ガイジンは、ping、とか云いますが、2011年の11月にこのLINE2(フランスなどのサイトではLIGNE2とあります。)が発表になり、今も頑固に音は保証外というデュポンにおいて、「音が鳴ります!」というモデル、“Cling”(クリング)という音がならないとダメな、ワタシらのようなしょーもない喫煙者に向けてデュポン様が作ってくれた音の“必ず”鳴るハズのシリーズを出してきましたねぇ。

 

 

ヤフオクとかで競うのが面倒で、メルカリを見てましたらほぼ新品未使用のギャラ(保証書)有りの上玉が出品されて居るではありませんか!

近年のモノでしたら、新品未使用は探せば結構ありますが、今回の漆ゴールドは中々お目にかかれません。

出品者の説明書きには、「点火未確認、音は鳴ります。」とあり、チャレンジャーのかっちゃんはまたもポッチしてしまうのでした。。。

 

さて、現品届きまして、早速見てみますと、「こりゃあ素晴らしい!」まさに未使用の漆ゴールド!

わたしの見立てでは、MS65ですね。

そうそう、偽物も、円銀みたく一杯ありんす。

中華製が殆どですが、ものすごい精度で作ってまして、ライターとしてみればほぼ完璧な造りです。アリエクなぞみてみればたくさん有りますよ。

 

こんな良い状態のヴィンテージデュポンは中々ありませんが、ガスを詰めてみると、案の定、ガス注入口の辺りから、「シュ〜〜〜〜」っと漏れてきます。

ギャランティーを見ますと、「New Tokyo Int'l Duty-free〜」とあり、販売日が

1989年ですと。。。なんと30年以上前のヴィンテージ物でした。

シリアルNo.もOK。

 

そりゃあ、パッキンもいかれるわな〜と、早速分解を開始!

 

まずは、ガス注入機構から。

底面は、立ててライターを置くことが多いため傷だらけの個体が多いですが,コイツは綺麗です。”メルキュール”(mercur:車輪と翼))のマークがマットなつや消しで小さくも繊細に刻印されています。

また、この個体では、漆(ラッカー)モデルである為、LAQUE DE CHINE(中国漆)と刻印されています。近年では、葉っぱ(漆の葉を縦にしたモチーフのもの)のマークになっています。

ガス口もとても綺麗。ここから治具でハズしていきます。

さて30年以上前のパッキンですから今回は全てのパッキンを交換していきます。

写真の様にゴムがパキパキに硬化しています。(写真じゃ分からないか。。。汗)

ガス口の機構はここだけです。新しいパッキンにシリコングリスを極々少量塗布して組み付けます。

次は火力調節機構です。

この調節をプラス、マイナス側回して見たときに、「ギュルギュル」と引っかかる感じとか、硬くて回しにくい個体は、まずもって調節機構のパッキンの劣化です。

 

外装に傷が付くと行けませんのでフィルムをかまして空けていきます。

※因みに、デュポンのネジは全てマイナスネジです。-2.0じゃ短すぎ、−2.5では長過ぎます。またマイナスの太さが太くって、通常のマイナスドライバーだとまず確実にネジアタマを舐めてしまいますので、私は、マイナスドライバーをリューターで研磨、切削してネジ溝にフィットするようにイジっています。

この治具はネットを探せば一杯ヒットしてきます。

そ〜っとですよ〜!

レギュレーターを外したところ。まずは火力調節ねじのアタマを外します。銀の小さなボールが入って居ますので無くさないように。。。ここもパッキン交換です。

逆側も分解していきます。この小さなアタマの部分。ライターのキャップの開け閉めでガスを出したり閉じたりするところです。ここが引っ張るのが硬くって先っちょを傷付けてしまいました😭

この小さなパッキンも全て交換。しかしパキパキになってますね。しかも所々錆びてる。。。

パーツクリーナー、錆取り、ベンジン、バフ掛けを繰り返してここまで1時間経過❗

※首がイテェ。。。

ココマまで済んだら組み付けマス。

さて、キャップを外していきますが、ここで問題発生。ガス噴出機構とキャップバネの入って居るキャップのネジがマジ硬い!完全に固着してるし。。。

ネジロックが劣化しているのかこいつは難儀だ!

 

接点復活剤(クレ556)をネジの周りに針で塗布して10分ほど待ち、ネジ山復活剤を塗ってマイナスで回すとなんとか回ってくれました!ラッキー。

外したネジを見ると僅かにネジロック剤が付いているように見えますね。

そして小さなパッキンも交換。

後ろのバネとキャップを押すピンも洗浄後、グリスアップします。

矢印の部分には結構ススが溜まっていますので掃除しときます。

ここまでやったら後は組み付け。

※ここまでやってみたものの結局ピンも外して掃除し直しました。音がイマイチだったので。

  

完成がこちら。






いやぁ、綺麗だわ。


今頃になって未使用が出てくるとは感動。

まあ、吸わない人にとってはただのガラクタですが、

コイン程ではないにせよ、海外では熱烈なコレクターもかなりいるようです。

動画で"ping"をお楽しみ下さい〜