第86回『戦後すぐの大阪』
闇市が大阪の至る所で盛況を極める。
中でも大きいのは大阪駅前の闇市。
天幕を貼り、
狭い通路は人で埋まる。
茶碗の縁の欠けた物から、
数年も過ぎる雑誌類、
横には西洋ドレスの結婚衣装が並ぶ。
日常欲しい物は、
何でも金さえあれば買える。
巷では何を買うにも、
購入切符が入り用。
切符を持参しても商品が無い。
何時入るか知れぬ切符片手に、
市中を彷徨い探す。
日本橋を歩くと、
B29の残骸が道の片側で人目を引く。
通天閣周辺の新世界も焼け野原で、
空爆の激しさを物語る。
街角に二階建が二件だけが、
取り残された様に建つ不思議。
目に入る建物は掘っ立て小屋が多い。
歩く者は多いが、
大衆は何処に住んでいるのであろう。
中国の南京の惨状が目に浮かぶ。
殺し殺されて、
住居は無惨な廃屋に。
敗戦直後の国内の状況は知りませんが、
私が大阪に出る時、
宇野駅で列車に乗り込むと既に満席。
窓際に腰掛けていると激しく窓を叩く。
当時は入り口より乗り込むより、
窓から入れば素早く席が取れる状態。
兄は朝鮮人だから相手にするなと言う。
その内に窓を開けて乗り込んでくる…。
私は思わず、
そいつの足を持ち、
突き落とすと、
多数が押しかけて、
窓の外は口々に罵り奇声を挙げるが、
私は敗戦直後、
中国で散々な敗戦国日本人であるが為に、
嫌な事に直面しておる。
彼等に弱みを見せると図に乗り無謀を働くが、
相手が強いと手出しはせぬ。
兄の制止も聞かず、
高飛車に出る。
相手は隣へと移動する。
私は大声でヨボ(朝鮮人)等に負けるなと叫ぶ。
汽車は発車する。
敗戦前、
上海で中国人を苛める者の殆どが朝鮮人。
俺は朝鮮人だと弱者で心卑しい国民性。
幾分か落ち着いた時。
兄はお前も強くなったと驚く。
敗戦国日本、
気力も敗戦か。
常に虐げられた国民は、
強い者には集団で襲うが、
逃げると増長するが彼らの予想に反して、
高飛車に出ると離散する心理を掴めば、
彼らは弱い。
中でも大きいのは大阪駅前の闇市。
天幕を貼り、
狭い通路は人で埋まる。
茶碗の縁の欠けた物から、
数年も過ぎる雑誌類、
横には西洋ドレスの結婚衣装が並ぶ。
日常欲しい物は、
何でも金さえあれば買える。
巷では何を買うにも、
購入切符が入り用。
切符を持参しても商品が無い。
何時入るか知れぬ切符片手に、
市中を彷徨い探す。
日本橋を歩くと、
B29の残骸が道の片側で人目を引く。
通天閣周辺の新世界も焼け野原で、
空爆の激しさを物語る。
街角に二階建が二件だけが、
取り残された様に建つ不思議。
目に入る建物は掘っ立て小屋が多い。
歩く者は多いが、
大衆は何処に住んでいるのであろう。
中国の南京の惨状が目に浮かぶ。
殺し殺されて、
住居は無惨な廃屋に。
敗戦直後の国内の状況は知りませんが、
私が大阪に出る時、
宇野駅で列車に乗り込むと既に満席。
窓際に腰掛けていると激しく窓を叩く。
当時は入り口より乗り込むより、
窓から入れば素早く席が取れる状態。
兄は朝鮮人だから相手にするなと言う。
その内に窓を開けて乗り込んでくる…。
私は思わず、
そいつの足を持ち、
突き落とすと、
多数が押しかけて、
窓の外は口々に罵り奇声を挙げるが、
私は敗戦直後、
中国で散々な敗戦国日本人であるが為に、
嫌な事に直面しておる。
彼等に弱みを見せると図に乗り無謀を働くが、
相手が強いと手出しはせぬ。
兄の制止も聞かず、
高飛車に出る。
相手は隣へと移動する。
私は大声でヨボ(朝鮮人)等に負けるなと叫ぶ。
汽車は発車する。
敗戦前、
上海で中国人を苛める者の殆どが朝鮮人。
俺は朝鮮人だと弱者で心卑しい国民性。
幾分か落ち着いた時。
兄はお前も強くなったと驚く。
敗戦国日本、
気力も敗戦か。
常に虐げられた国民は、
強い者には集団で襲うが、
逃げると増長するが彼らの予想に反して、
高飛車に出ると離散する心理を掴めば、
彼らは弱い。