第79回『続々々、日本に帰る時』
顔色変えて座り込む女性を海に。
背を向けて男が一列に並び、
女性を舷側にと誘うが中々実行せぬ。
一人が誘いに乗ると、
次から次へと舷側で小便をして、
ほっとした表情を見ると、
何と無くこちらもほっとする。
が、
その度にお礼の霧雨の被害にあう。
一夜慰安に。
飛び入り慰労会を模様する。
飛び入り多数で時間を忘れる想い。
翌朝、
自前の持込の食料も底を尽き、
内地米と味噌汁の朝食が出る。
美味しいと皆は喜び食べるが、
それを手渡すのに難儀をする。
狭い狭い、
人との隙間に手渡すのは、
思わぬ不始末もあった。
船内放送で、
只今から水葬をいたしますから、
黙祷をお願いの放送。
祖国を目の前にして、
何故水葬に踏み切る。
内地に身寄りが無いのだろうか。
甲板に出る。
船の後方に長く板を突き出し、
その上に白布で全身に覆われた死骸が乗る。
哀しい音楽の吹奏が流れる。
船は減速して、
尾を引く汽笛を鳴らしつつ一周する。
板は徐々にさがり、
白布に覆われた死骸は重い重石と共に、
海底へ沈み行く。
祖国を前にして…。
進む右前方に五島列島が。
祖国も近い。
間も無く桜島を認める。
鹿児島湾を船は静かに進む。
船尾に大きな二メートルも有ろうか、
魚が追尾する。
皆は甲板に並び、
近づく市街に見入る。
市街の殆どは焼け野原。
言葉無く甲板に立ち尽くす。
廃墟の祖国。
桟橋に着く。
前方の右に若木の桜が満開だが、
美しいと声をだし者、
一人としていない。
その横に垢錆びた戦車が二台、
寂しく敗戦を物語る。
背を向けて男が一列に並び、
女性を舷側にと誘うが中々実行せぬ。
一人が誘いに乗ると、
次から次へと舷側で小便をして、
ほっとした表情を見ると、
何と無くこちらもほっとする。
が、
その度にお礼の霧雨の被害にあう。
一夜慰安に。
飛び入り慰労会を模様する。
飛び入り多数で時間を忘れる想い。
翌朝、
自前の持込の食料も底を尽き、
内地米と味噌汁の朝食が出る。
美味しいと皆は喜び食べるが、
それを手渡すのに難儀をする。
狭い狭い、
人との隙間に手渡すのは、
思わぬ不始末もあった。
船内放送で、
只今から水葬をいたしますから、
黙祷をお願いの放送。
祖国を目の前にして、
何故水葬に踏み切る。
内地に身寄りが無いのだろうか。
甲板に出る。
船の後方に長く板を突き出し、
その上に白布で全身に覆われた死骸が乗る。
哀しい音楽の吹奏が流れる。
船は減速して、
尾を引く汽笛を鳴らしつつ一周する。
板は徐々にさがり、
白布に覆われた死骸は重い重石と共に、
海底へ沈み行く。
祖国を前にして…。
進む右前方に五島列島が。
祖国も近い。
間も無く桜島を認める。
鹿児島湾を船は静かに進む。
船尾に大きな二メートルも有ろうか、
魚が追尾する。
皆は甲板に並び、
近づく市街に見入る。
市街の殆どは焼け野原。
言葉無く甲板に立ち尽くす。
廃墟の祖国。
桟橋に着く。
前方の右に若木の桜が満開だが、
美しいと声をだし者、
一人としていない。
その横に垢錆びた戦車が二台、
寂しく敗戦を物語る。