モーターサイクルワイナリーず
サンティアゴ市内にある老舗のワイナリー。
此方も個人でHPから予約できます。
訪問には電車で最寄り駅+タクシーが良いと思います。
結構離れてますから。
此方も1856年創業と歴史があります。
ブドウ栽培の歴史は500年位あるとかないとかいう話です(笑)
土は相変わらずの乾燥した泥ですね。
かっちかちです。
因みに、このワイナリーは台木なしで育成している…ほんとかな?
聞き間違いか不安になる(笑)
ワイナリー周辺ではトップラインのみを生産し、毎年3月頃に手摘みで収穫されるということですが、じゃあなんで今葡萄ついてんだよ?と4月に訪問した私は思ったのでした(笑)
この時期でも昼間は30度、夜間は12-13度という寒暖差、雨が少なく乾燥した気候ですくすくと育つ訳ですね。
因みに月1-2回水やりをするそうですよ。
今は使われていないそうですが、この大型の発酵樽はチリ製のオークで作られているそうです。まぁそりゃなけりゃ作る。そういう時代だったんでしょうね。
とはいえ、10年程前までは90個の大樽が現役で使われていたそうです。ここはレンガ造りの建物で中は涼しく発酵には適していたのでしょうね。
畑の向こう側に見えるのがアンデスです。
チリの地形というのは面白くて、海側に海岸山脈があって少し平野(サンティアゴはこの平野に位置する)平野の奥にはアンデス山脈という風になっていて平野が海沿いに帯状に存在しています。
そしてアンデスを超えるとアルゼンチンのメンドーサという位置関係です。
ワイナリーのあるマイプ自体は谷になってますが、乾燥していて夏が長いそうです。コンチャイトロは谷沿いに位置してますので環境が理解しやすいですが、ここは谷の手前に見学ゾーンがあるのでイメージしづらい位置関係です。
因みに、時刻は午後3時位だったと思いますが、山があるのが東側、太陽は北にあります。南半球ですねえ(笑)
悪魔は住んでいませんがここにも地下の熟成室があります。
写真はちょうど階段の上からのアングルです。
階段も映らない、階段上にあるセラーも映らないへたくそなアングルですな(笑)
中はドーンと広いです。
レンが作りの地下室というのはアルゼンチンでは余り見ませんでしたね。というのは単純に訪問したワイナリーの設立時期によるんですが、恐らく…メンドーサでもトラピチェだったりズッカルディなんかはあるんじゃないかなー?と思います。
チリもアルゼンチンも1980年代ごろから猛烈に輸出量を伸ばしてますし、ワイン造りの歴史も同じ様な経緯があります。多分…(笑)
因みに樽は全てフレンチオークの空樽(笑)だそうです。
ティスティングはこんなお洒落な部屋で行われます。
試飲6杯とチーズボード込みで約3500円程度です。
因みにHPでは25000ドルと書かれていますが25000チリペソですのでご注意を!
イシドーラ リースリング
マイポバレー、つまりこの周辺で収穫された葡萄を使用しているそうで、ドイツ等の冷涼な気候のリースリングとは違いパイナップル等暖かい気候を感じさせるフルーツの香りにしっかりとしたミネラル、コクがあります。ステンレス発酵とステンレス熟成でフレッシュ感が良く残っています。
林檎等を思わせるフレッシュな酸があり爽やかな飲み口ですね。
Finis Terrae
シャルドネ、ヴィオニエ、リースリング
ヴィオニエというのはローヌで有名な品種ですが、暑い地域と相性が良いのでしょうね。万能選手のシャルドネ、そこに暑い気候で豹変したリースリングが加わる訳です。
シャルドネのみ樽発酵とMLFが施されており、香りもしっかりとついています。(樽は新樽ではないとの事でしたが)熟したパイナップルや桃、りんご等様々な果物の香りに力強いボディ、更にはフィニッシュにMLFな感じと鋭い酸もある。というハイブリッドぶりです。
*MLF=マロラクティック発酵
特に白ワインを樽熟成させる際に使用される方法で、通常発酵後に乳酸菌を添加する事で乳酸菌発酵を促し熟成中にワインが痛むのを防止する事。ワインによってはヨーグルトの様な香りが残る事と、乳酸菌発酵によって強い酸味を示す林檎酸等が、酸味が穏やかな乳酸菌に代わる為穏やかな酸味となる。
シャルドネで行われる事が多く、この為シャルドネは樽香が付いたワインが多い。行われていないシャルドネは意外に酸味が強い。
ドンルイス
メルロー 2015
この2015年という年はチリワイン不作の年だったそうで随分と苦労をされたそうです。
一言で言えば軽い。赤ワインの香りが乏しくワイナリーのワインメモにも「イチゴ、ラズベリー、ソフトミント、フレッシュペッパー、ジンジャー」とあります。温暖で乾燥したマイポのメルローに抱く期待感とは少し離れている様に感じます。
ドン・ルイス
カベルネ・ソーヴィニョン 2014
このカベルネも期待していた感じはなかったですね。残念ながら…私の期待していたものでは無かった。
まぁ確かに、居合わせた他の客が騒がしくイラついていたのもあるでしょうが…。
ステンレスタンク発酵、ステンレスタンク熟成でステンレスタンク内でMLFを行っているそうです。軽くて、香りも痩せているし嫌な甘さが残りフィニッシュもおとなしい。。。と感じたのですが、ワイナリーのワインメモにも「ポークチョップやハードチーズ、スパイシーな料理」と記されており狙う所の違いなのかも知れませんし、日本円で545円のワインで文句言ってる私の頭がおかしいのかもしれません(笑)
ドン・ルイス
シラー 2014
この2014年はとても高温で乾燥した年らしく期待感が高まります…が!ステンレスタンクの功罪というのは大きい物です。
シラーらしい重厚で、血なまぐさく、筋肉質でがっちりとした味わいはそこにはなく、軽やかでフルーティーで花の様な香りに包まれたシラーが居ました。まぁこちらも500円台のワインだから文句を言うのもあれですが…。これならブレンドの赤ワインとしての販売でも良いのでは無いかと思ってしまいます。
フィニステラエ 2013
カベルネ・ソーヴィニヨン45%-メルロー44%-シラー11%
2013年のマイポは、乾燥した冬と寒い春、高温の夏という一年だったそうです。
手摘み収穫、15か月の樽熟成と期待感が膨らみます!
…が、私のメモは辛口ですね(笑)これには居合わせた客とガイドさんのくだらないお喋りが多分に影響しています。
後、旅行も中盤で疲労も溜まっていたのでしょう…。
という言い訳はさておき、このワインは樽感はあります。
チェリーやカシスのフルーツこうもあります。
軽めのフルボディ?スパイス香は控えめでタンニンも軽いです。
やはりカベルネソーヴィニヨンという事で構えて飲むと…、少し肩透かしを食らうのではないでしょうか?と思います。
ただ、同じブドウ品種でも栽培する地域や気候、会社の考え方で味わいは変わり、また変えている訳ですからこのワインがダメだとは決して思いません。
ただ、私には未知の味わいで求めていた味わいでもありませんでした。それ以上でもそれ以下でもありません。
寧ろこういったワインに出会えた事で来た甲斐があり勉強になったという事だと思います。
日本でフランスワイン最高!という教育を受けた私にとっては異質でも、もしかするとこの土地の人には日常であるという事は十分にありますし、個性がなく全てのワインが同じ方向を向いているというのもそれはそれでつまらない訳ですから。
特にカベルネソーヴィニヨンやシラー、シャルドネの様な国際品種においては、より明確な個性と差別化が求められますので…
*ヴィンテージが違います。