僕の父の趣味は、家庭菜園なんですが…
昨日、僕が帰宅すると…
父が…
畑から収穫してきた、
大量のトウモロコシを前に
肩を落としている…
どうしたの?
と、尋ねると…
「ポップコーンが…
膨らまない…」
あれは、2月のことだった…
父が、近所のスーパーから
ポップコーンを買ってきた…
完成品のスナック菓子ではなく、
自分で鍋で炒って作る
昔ながらの、
ポップコーンの粒が入ったやつです。
お~、これはビールのつまみにいいじゃないの…
と、早速、ポップコーンを作ろうとしたら…
父、大激怒!!!
「それは、春になったら畑に植える
ポップコーンの種なんだから
食べるんじゃない」
ポップコーンがきっかけで
お互い、いい年こいて
ちょっとした親子けんかになったのさ…
僕「スーパーで買ってきたポップコーン植えたって
ポップコーンができるわけね~だろ!!」
父「い~や!! 絶対にできる!!!」
本当にポップコーンができるのか
マジで「探偵ナイトスクープ」に
調査を依頼しようかと思ったね(笑)
で…
それから半年…
ポップコーンの実は
なるにはなったのだが…
いくら炒っても…
全然膨らまなかったらしい…
がっくりと肩を落としている
父の前には…
真っ黒焦げになった
トウモロコシの粒が
皿に盛られていた…
炒っても膨らまなければ…
それは、ポップコーンではなく
ただのトウモロコシだ…
しかも
天日でカラカラに干してあるので…
もう、煮ても焼いても食えない…
父いわく…
「ポップコーンが
先祖帰りしちゃったみたいなんだよ…」
どうやら
ポップコーンの花が咲いたとき
回りに植えられている
普通のトウモロコシの花粉を受粉したらしく…
ポップコーンではなく
普通のトウモロコシとして育ってしまったらしい…
父を見て
僕は思った…
こうして、失敗や試行錯誤を繰り返し、積み重ねながら…
人間というのは、農作物を品種改良したり
文明を進歩させていったのだな~…
…と……
父さんごめん…
先祖帰りしてるのは…
ポップコーンではなく
あなたです