顔晴れ。 | mellow diary

mellow diary

相変わらず訳の分からないこと言ってます

年に何度か野球部のOBが集う宴会がある
OB会は僕の年に変わった先生のたっての願いから発足したので
一番上の学年は僕の年になる

高校を出てからも同学年だけでなく
重ならない下の学年や上の学年とも結束を持つことが
このOB会の大きなねらいのひとつだ
この会は先生の人望のもとに成り立っている
それはすごいことだ

僕が今まで出会った先生と言われる人間の中で
最も偉大な先生だ
先生はいつも本気でぶつかってくる
だからどれだけ厳しかろうと響いてくる
それは集まる者達の顔を見れば解ること

僕はまだ高校を出たばかりの時に
学校に遊びに行ったことがあった
けれど髪を染め奇抜な格好をしていた僕は
野球部には顔を出さずに
先生にも挨拶しに行かずに
体育館でバスケをした

それを見つけた先生は僕を呼び寄せ
「俺とお前の関係はそんなものか?」と言われた

僕はとてつもなく自分を悔いた
それがずっと心に引っかかってとれなかった

野球を続けなかった僕はユニフォームももう無かった
グラウンドには行くことが出来なかった
けれどそのままでずっとしこりを残すのは嫌だったので
僕は手紙を書いた
自分の思うことを悔いたことを便せんに綴って送った

それからしばらくしていつかに
先生にあったとき
みんなの前ではなく僕にだけそっと
あの手紙は嬉しかった
と言ってくださった

僕の中では未だにその手紙が僕と先生を結ぶ
信頼の証しみたいなものだと思っている

今日も先生に近況を報告した
お前にはそれが向いているように俺は思う
その言葉が胸に深く浸透した

先生はOB会でいつもみんなに言いたい事があると言って話をする

おまえら「頑張れ」ってどう書くか知ってるか?
「顔晴れ」って書くんや