手と手 | mellow diary

mellow diary

相変わらず訳の分からないこと言ってます

昔のこと

Sという友人がいて
彼とは今も盆や正月には必ず会う地元友達の1人
小・中学校が一緒で野球部でも一緒だった

Sとは中学の時喧嘩をした
それまではふざけあった小突き合うぐらいはあったけど
その時は殴り合いの本気の喧嘩になってしまった
理由はしょうもない事で
バカにし合ってたら止まらなくなった
結局周りにいた友人に止められておさまった

以来
Sとは話すことができなくなった
怒りなんてとっくに消えていたのに
お互いに意地っ張りなのかシャイなのか
とにかくSとの関係はそれまでとは違いギクシャクしたものになった
それは自分でもすこし困ったなと思っていた

そんな微妙な関係でも毎日クラスで会うし
部活で会うし
なんならほとんど会話をしないのに僕がピッチャーでSがキャッチャーという
心の通い合わないバッテリーだったこともあった
あんな複雑な試合はない

ふたりの様子がおかしいことは誰の目にも明らかだったようで
ある日なぜか教室の自分の椅子とSの椅子が入れ替わってることがあり
それに気付きぎこちなく椅子を取り替えるふたりを
いつ殴り合わないかとヒヤヒヤして見てたと
周りにいた女子に後から言われた
僕とSはぎこちなくなってしまっただけで決して憎み合ってはいなかったのに

部活でも後輩に「fellowさんはSさんと仲悪いんですか?」
とギクッとする事を言われたりもした
「話してるところを見たことがない」なんて無神経な事を言うヤツだ

そしてその複雑な関係は
当時の担任の先生にも勘づかれた
ある日僕が窓ガラスを割ってしまって(それには色々と理由があったのだが)
その後担任に呼び出されたとき
最後にSとの関係のことを聞かれた
なんともおせっかいなその先生は僕の言い分を聞いて
それをSに話してSと僕と3人で話をすると言い出した

良いような面倒なような感じでその日はきて
担任を挟んで僕とSは座った
お互いにまた元通りの関係に戻りたいと言い(言わされ)
担任は僕とSの手を取り
「ほら!あんたらの手はこんなにあったかいんやで!」
と照れくささ満開の台詞を言ってさらに
「あんたらこの後グランド行ってキャッチボールするねんで!」
そう言って僕等を部活に送り出した

それがきっかけで仲を取り戻したかは定かではないが
とにかくおせっかいな先生の行動におかしくてふたりで笑った

キャッチボールする僕等を
グランドの隅から数人の女子とお節介先生が見てた