結局最後に残るのは人柄だ
そう先生は言った
いい作品を作ろうがどれだけ有名になろうが
どれだけ金持ちになろうが
人柄というか本質みたいな部分が
その人の魅力につながる
うまく言えないけれどそんなニュアンスの言葉だった
僕はそこにかけてみたいなと思ってココまで来た
毎日のように
車に乗って家と大学を行き来する
目を瞑っても辿れるんじゃないかというぐらい何度も同じ道を通ってきた
そしていつも同じ場所で失望する
信号待ちで横に目をやると
そこには夥しい数のゴミが散乱する
吸殻や空き缶にとどまらず
コンビニの袋にワザワザまとめられたゴミも多い
1年に1度くらいそこは清掃されるが
あっというまに元の姿に戻る
ポイ捨てについてあれこれ言うなんて全然したくない
何か言うことがすでに虚しい
ただその行為を許す人間は
きっと誰かの心を平気で傷つけるような発言をするだろうし
誰かを大切に思うことも出来ないだろうし
自分すらも大切にしていないのだろうと思う
何がどうつながってそんな根拠に至るのかは説明できなくても
それは確かなことだと思う
人の気持ちが分からないような奴が
人を感動させるようなモノを作れるわけがない
いつか意図的にある人を傷つけようとして言った言葉
これを言った僕の心は酷く散らかってどうしようもなかった
あんなにも酷い状態が日常的にそこにあって
それでも人柄が最後に残るのだろうか
そんな風に思い始めたら
僕のやってることなんてまるで意味が無い
結局最後に残るのは人柄だ
まだそこにかけてみたいと思っている
疲れた身体にチョコレートを補給する