朝起きると雨の音がする
朝9時の便に乗り日本に帰る
外は雨が強く降っている
フロントでチェックアウトをして
タクシーを一台頼んだ
ところが「雨のせいでタクシーが捕まらない」
という
「捕まらないじゃ、帰れないやろうが!!」
そう叫びたかったがこらえた
困った
タクシー以外での移動手段が解らない
日本人旅行者らしき一行が
タクシーに乗りかけていたので
何とか便乗させてもらおうと駆け寄ったが
いっぱいで乗れそうになかった
でも
そんな僕の姿を見つけた別のタクシーが
空港まで乗せてくれる事になった
助かった・・・
まったく、何が捕まらないだ
雨の中、空港までフォルクスワーゲンのタクシーが無事送ってくれた
「謝謝!」
そう言って少しだけどお釣りをとっといてもらった
チェックインを済ませようとしたら
ひとりの中国人女性から声をかけられた
どうやら荷物が多いらしく
一人あたりの預けていい荷物の重量をオーバーするらしく
僕の分の荷物制限を貸してくれということだった
バックパックを預けるつもりだったが
別に機内に持ち込めない訳じゃないので
快く承諾した
並んでチェックインしたので
その女性とは機内でも席が隣になった
地元は北京らしく
日本と中国を仕事で行き来しているそうだ
こんなに話が出来たのは
彼女が日本語ベラベラだったからだ
退屈しのぎに話するのは悪くなかった
けれどそれは離陸して一変した
離着陸の時は
機内はどうしても揺れるので
いつも緊張したが
この
上海-関空間の最後の便
この旅6度目のフライトは
どのフライトよりもはるかに
ダントツで揺れが酷かったのだ
それは離着陸だけでなく
ずっとだ
隣の女性は離陸して間もなく
後ろの方の空いている席に移動した
まわりの乗客も揺れに対して
不安感や不快感を露わにしていた
これはリラックスしろという方が無理な話
途中で出された機内食も
ほとんどの人が手を付けないままだった
配るフライトアテンダントの足下も
ふらついて大変そうだったくらいだ
外は上海とはうって変わって晴れているというのに
そうこうするうちに
海に面した陸地が窓から見えた
日本だ
大阪だ
帰ってきた
結局着陸するまで揺れ続けた最悪の2時間だった
日本語が行き交い
日本人がそこら中にいる
実は初日の搭乗の際に
ナイフを没収されていた
機内に刃物は持ち込めないのに
色々詰め込まれたバックパックの中から
見事にナイフを見つけ出されてしまっていた
それを返してもらう為に
案内カウンターに行き説明した
それと中国から持ち帰った中国元を
日本円に換金してもらった
ナイフは無事戻ってきた
親切に案内嬢は対応してくれた
日本人はなんて親切なんだ!
と心底思った
空港に誰が迎えに来てるわけでもないので
そのまま電車に乗って
地元の駅まで帰る
どこを歩くにも少し誇らしい気分になっていた
地元がすごく暖かい感じがした
早く友人に話をしたくてたまらない
けれど
駅を降りても当然誰も迎えに来ているわけもなく
携帯電話も持ってないので
誰も捕まえることが出来ず
日本では滅多に乗らないタクシーで家まで帰った
日本のタクシーは
高い
完
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素晴らしい体験となったチベットへの旅は
こうして幕を閉じた
不安と驚きに満ちあふれた数日間が
今は夢のような時間に思える
また僕は旅に出たい
そしてまた素晴らしい時間を手に入れて
素晴らしい人と出会えればいいなと思う
ちょうど昨日の朝
チベットで行動を共にした剛さんからメールが届き
GWを利用してミャンマーに向かう
という知らせをもらった
僕の胸の奥を揺さぶった事は言うまでもない
行きたいところは山ほどある
旅に出たい
