「つくもがみっ!!」年寄りの話は長い。そして、この話も長い。 2 | 小説製作所 FELLOW'S PROJECT REBEL

小説製作所 FELLOW'S PROJECT REBEL

FELLOW'S PROJECT REBELへようこそ。
小説書いてま~す。

「ごるぁああああああああああっ!死穂~っ!


 てんめぇええええええっ!また、ゴミの分別を間違えよってぇええええっ!」


朝から、ゴミ捨て場にけたたましい老婆の声が響く。


どうやら、この老婆は、地獄界の町内会の重鎮のようだ。


それに、いびられているのは、エンマの居城でメイドをやっている、


甘味 死穂(あまみ しほ)・・・。


死穂「す、すみません・・・。おばばさま・・・。」


おばばさまと呼ばれている、この老婆の名前は、


釘野 出媚(くぎの でび)。おばばさまのほかにも、


デビ夫人、デビルばあちゃんなどとも呼ばれている。


デビ「すみませんじゃねーよ!だいたい、なんで、ゴミ捨てばに


    おっさんが捨てられてんだよ!」


デビが指さしたのは、粗大ゴミのゴミ捨て場。


そこには、捨てられた薄汚いマットの上で、エンマが


大きないびきをかいて、寝ていた。


死穂「あれは、おっさんではありません。エンマ様です。」


デビ「もっと問題だろうが!なんで、地獄の王が、粗大ゴミのゴミ捨て場で寝てんだよ!

 

    なんで、酒ビン抱いて寝てんだよ!なんで、『いいちこ』なんだよ!」


死穂「『お末なくせに、ずうたいだけ、きい、社会のゴミ


    略して、『粗大ゴミ』です。


デビ「うまくねえんだよ!いいから、そのおっさん早くどけて!」


死穂「え~・・・。あたしがですか・・・。言っておきますけど、このおっさんは、


    自分で勝手に酔いつぶれて、ここまでふらついて来たんですよ。


    このまま、ほっといていいじゃないですか・・・。」


デビ「いいわけないわぁああああっ!!そもそも、そこまで、泥酔する前に


   あんたが、こいつが酒飲むのをやめさせろぉおおっ!」


ひとしきり、いびられたあと、エンマをずるずる引きずって帰る・・・。


町内会の重鎮やら、何やら知らないけど・・・、うっとうしいやつ・・・。


「あんまり、あのババアを敵に回すとろくなことならんよ・・・。


町内会の重鎮でありながら、裏で、危ない連中かくまって・・・、


やれ、商売だ、取引だと、色々なことに手を付けまくってる。


中でも、もっとも危ねえのが、外法の『呪い屋』だよ・・・。


人に恨まれるやつを、呪法によって祟り殺す・・・。


おまえ・・・。あのババアを敵に回したら、呪い殺されるぞ・・・。」


死穂「なに、人に引きずられながら、シリアスに語ってんですか!あんたはっ!


    すっかり、目が覚めてるんじゃないですか!


    自力で歩いてください!」


エンマ「えーーっ!めんでえよっ!シホリン、メイドなんでしょ~っ!


     ご主人様は歩きたくないのだっ!シホリンにおんぶしてもらいたいのらっ!


     おんぶ、おんぶううううっ!」


死穂「・・・。なぐって、・・・いいかな・・・。」


エンマ「えーーっ!シホリン、なぐるとか、言っちゃダメだよ~っ!


     ご主人様は、身体が弱いんでちゅ!


     死んじゃうでちゅ!あ・・・、ここ地獄なんだった・・・。


     エンマ様ジョーク!HAHAHA!」


死穂「もう、いいわぁああああっ!」


さすがにこりて、エンマも自分で歩きだした・・・。


死穂「普通に歩けるんじゃないですか・・・。


    というか、もうこんなことは、これっきりにしてもらえます?


    お酒なんて、毎日飲まなきゃいけないものじゃ、ないんですから・・・。」


女には、わかるまいよ・・・。


女ってのは便利な生き物だ・・・。ばつが悪くなったら、涙ながせばいい・・・。


追い詰められたら、体売ればいい・・・。だが、男っていう生き物は、


残念ながら、そんなもの、持ち合わせちゃいねえ・・・。


いつだって、まっすぐな拳打って、生きてかにゃならねえ・・・。


そりゃあ、つれえもんだよ・・・。だからこそ、


この疲れはて、渇ききった喉を・・・、体を・・・、酒が潤してくれるのさ・・・。


死穂「なに、ハードボイルドなモノローグいれてんの!


   イライラするからやめてくれません!」


エンマ「だって~・・・。お酒、おいしいんだもの~・・・。」


死穂「たしかに、おいしいけども。っつか、あんたは下戸だろが!


    いいちこ、ロックで1杯飲んだだけであの体たらくじゃないですか!


    よく、そんな、飲んだくれで、下戸のくせに、地獄の王が


    つとまりますね!」


エンマ「格式と、生理的体質は関係ないだろ・・・。」


死穂「その前に、品格というものを知れ・・・。」


そんな言い合いをしているうちに、


エンマの居城についた。


「すいませ~んっ!たのま~っ!開けてくれぬか~!」


その城門の前で、ひとりの少女が、


門の大きな鉄製の扉をノックしている。


死穂「あれ・・・・?もしかして・・・ナラクちゃん?」


その声に少女は振り向いた。


「あ・・・。死穂ねぇちゃん・・・。」