「つくもがみっ!!」つみきくずし。 5 | 小説製作所 FELLOW'S PROJECT REBEL

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「う・・・うう・・・。」


テーブルの上で、酔いつぶれて寝ていた優奈が目を覚ます。


「う・・・、うっう~ん・・・。ふぁ~あ・・・。」


眠い目をこすり、立ち上がる。


「じゅ~り~・・・。おはよう~・・・。」


しかし、返事はない・・・。


「あれ?でかけてるのかな?」


最初はその程度にしか、考えていなかった。


さてと、ドラマでも見ようかな・・・。


そう、なにげなくテレビの電源をつけた。


========


一方、瑠奈は、ナラクと一緒に、『ふたりはドラキュア♫』のヒーローショーを見に来ていた。


瑠奈「というか、ドラキュアってなに?」


ナラク「知らないのか?」


瑠奈「う、うん・・・。」


ナラク「ほら、棟映アニメーション製作の『ふたりはドラキュア』。


    えっと、いまは、ちょうど3作目で、『ふたりはドラキュアSplash Blood』


    で、その前は『ふたりはドラキュアMax Blood』だったかな?」


瑠奈「ってかそれ、『ドラキュア』じゃなくね?もろに、現実に存在してるの、


    まるまる持ってきてるよね?」


ナラク「まあ、細かいことは気にするな。細かい女は嫌われるぞ。」


瑠奈「あ、は・・・、はい・・・。」


とまあ、そのまま丸め込められてしまった。


「ったく、なんであたしがこんなこと、付き合わなきゃなんないの?」


「なにいってんですか。茉莉さま!今日は、『ふたりはドラキュア』のヒーローショーでござるよ。」


となりの席で、なにやら、口論になってるみたい・・・。


というか、茉莉さまって・・・。


「いや、あたし、そういうの興味ないから・・・。


もっと、腐ったのがいいのよ!女の子ばっか活躍して、


で、そのまま、女の子同士で百合ものにもならないんでしょ!」


「茉莉さま・・・、いくらなんでも、こども向けアニメにまでそういう感情を持ち込むのは、


やめといたほうがいいでござるよ。」


「ヒーローショー見に来ているオタクにいわれたかねえよ!」



瑠奈「あ、あのー・・・。静かにしてもらえます?」


「あ、ごめんなさって・・・あ・・・、瑠奈・・・。それに、ナラクも・・・?」


口論していたのはなんと、茉莉と、拓男だった。


瑠奈「ま、茉莉じゃん・・・。もしかして、茉莉ちゃんも?」


茉莉「・・・。た、拓男に無理やりつれてこられたんだからねっ!


   勘違いしないでよね。わ、わたしは、別に『ふたりはドラキュア』なんて


   み、みたく・・・ないんだからねっ!」


瑠奈「なにに対するツンデレなんだよ・・・。


   つうか、結局見に行きたかったみたいな感じになってるよ。」


茉莉「・・・・。はっ・・・。や、やだ・・・。恥ずかしい!」


瑠奈「おうい。なんかもう、むかつくぞ!ナラク、こいつに死の宣告!」


ナラク「あいあいさー!」


茉莉「ってやめっ!ちょ!こっちこないで!


   あんたものほんの死神だから!」


ナラク「ザラキ」


茉莉「うがぁあああっ!」


拓男「腐女子怪獣マリドンを倒した。30ポイントの経験値を得た。


    400円手に入れた。」


瑠奈「なにやってんだよ。おまえら・・・。」



「さ~あ、よいこのみんな~!『ふたりはドラキュア』ヒーローショーが、


はっじまるよ~!!」


ステージに、女の人が上がって、呼びかける。


ナラク「いぇ~い!!」


・・・。なんか、ナラクちゃん、楽しそう・・・。


拓男「ド・ラ・キュ・ア!ド・ラ・キュ・ア!ド・ラ・キュ・ア!


    ふぉぉ~おっ!!」



茉莉、瑠奈「ってここで、ヲタ芸披露すんなぁあああっ!」


拓男はふたりに飛び蹴りされた。


ナラク「そっちこそ、なにやってんだよ。」



茉莉、瑠奈「え・・・。ツッコミです。」


そのまま、もとの席にもどった。


ステージにはモニターがある。


それには、『ふたりはドラキュア』のタイトルロゴが映っていた。


ステージが設けられているスペースが暗転し、


上演開始のブザーが鳴る。


いよいよだ・・・。と思ったそのとき、



モニターが砂嵐になった。


ザーザーという音が、スピーカーからもれている。


ナラク「な、なんだ?なんだ?」


瑠奈「落ち着いて。ナラク・・・。」



「すみません。もう少しお待ちください!」


ヒーローショーのスタッフの声が響く。


だが、まもなく、モニターの砂嵐はおさまり、映像が切り替わった。


だが・・・。そこに映ったのは、


怪しい黒づくめの男女が、少女を拘束している映像だった。


その少女の足は、ひざから下が切り取られたようにない。



だが、瑠奈はわかった・・・。


ひとめで、拘束された少女は、樹里だと・・・。



そのモニターの向こうでは、樹里が涙ぐみながら、カメラの前に突き出されていた。



出「おい・・・。しゃべれよ・・・。」


逝路「この映像は、人間界、そして、天界に生中継されているわ。


    話しなさい。あなたの友達に、『わたしは人間じゃないです。


    だから、さようなら。』って・・・。」



優奈「じゅ・・・じゅ・・・り・・・。」


その映像を、テレビの前で見ていた優奈は言葉を失った。



その映像は天界にも流れている。


成鬼「はじまったね~え。最高のショーが・・・。


    イザナギ、いや、親父、行かなくていいのかい?


    腐ってもあんたは、あいつの親だ。」



イザナギ「あれは、出来損ないだ。煮るなり焼くなり好きにしろ。」


成鬼「はいはいはい・・・。ご名答。ご名答。


    子を求める母の姿も、無様と切り捨て、


    あげくに、その子までも『できそこない』と切り捨てる。


    ずばり、きこう・・・。韋駄(いだ)・・・。


    お前の上司はこのとおり、ひとでなしだ。


    どうだい?オレとここで組んでこのクソ親父を血祭りにしねえか?」


イザナギ「て・・・、てめぇ・・・。」


成鬼は、不敵な笑みをもらした。



出「おい、しゃべれって言ってんだよ・・・。」


黙りこくる樹里に、出がつめよる。


逝路は、ふところから、短刀を取り出し、


そのみねを、樹里の喉元につきつけた。


逝路「しゃべらなかったら、首・・・。飛んじゃうよ・・・。」



・・・。・・・。


いえない・・・。言えない・・・。


とても言えない・・・。


自分が人間じゃないなんて・・・、


さようならなんて、言えない・・・。


言えない・・・。言えないよ。



樹里「言えないよ!そんなの!


   わたしは、たしかに、人間のこじゃないよ!


   でも、ずっと、ずっと・・・なりたかった!


   人間の・・・、ただの、女の子でいたかった!


   だからっ!だからっ!


   優奈おねぇちゃんに育ててもらって本当に・・・、本当に、うれしかった!


   ただひとりの女の子として、育ててもらって、うれしかった!



   瑠奈先輩や、小雨!茉莉先輩も、村下先輩も・・・。こんなあたしに、


   わけへだてなく、話してくれて、あたしの、あたしのぉ!


   ともだち・・・で・・・いてくれて・・・


   せんぱいでいてくれて・・・・。


   たのしかった・・・。うれしかった・・・。


   さようならなんて言わないから・・・・。


   あり・・・がとう・・・ありが・・・うっ・・・。」



わめく樹里のほほを、逝路が平手で打った。


逝路「誰が言った・・・。誰があんたのお涙頂戴なんて、いるっていったよ・・・。


    ふざけんのもたいがいにしな・・・。」


出「いいか・・・。こいつを助けたければ、来い・・・。


  待ってるぞ・・・。」


そこで映像は途絶えた。



瑠奈「・・・。茉莉・・・。もちろん。行くよね・・・・。」


茉莉「当たり前じゃ・・・。あたしは、あいつが、樹里が大キライなんだよ。


    だから、ここで樹里にええカッコさせてたまるか・・・。


    人間の子だなんやかんや、ややこしいことは知らへん。


    ただ、あいつが、自分だけ逃げて、


    ヒロイン面してやがるのがムカつくんだよ。


    あいつは・・・、あいつは・・・、


    意地でもあたしが連れ戻したる!」


ナラク「そうときたら、決定だな。」



茉莉、瑠奈「本物のヒーローショー始めようやないか。」


拓男「あの~・・・。盛り上がってるとこ失礼するでござるが・・・。


    連れていってもらえないでござるか?」



・・・。


・・・。


茉莉、瑠奈「え・・・? 来んの・・・・?」


拓男「い、いや・・・。リアクションおかしくね?」