「いらっしゃいませ~・・・。この機会に、スマートフォンに乗り換えてはいかがですか~?」
「今の時代はスマートフォンですよ~!」
「無料アプリもたっくさんございます~。」
「あなたの生活を豊かにする、スマートフォン。」
最近は、そんな言葉をよく聞く・・・。
しかし、そんなに、スマートフォンというものは革新的な、ものなのだろうか?
本当にオレの人生を、生活を豊かにしてくれるのだろうか?
そりゃ、CMのように、渡辺 謙や、桑田 佳祐がついてくれるなら、
豊かな人生にはなるだろう・・・。
しかし、実際は手のひらサイズの無機質な、携帯電話とパソコンの中間体のような存在。
こんなものが、オレに喜びをあたえるというのだろうか?
まあ、ものは試しだ。
やってみなきゃわからない。
名作フォレストガンプにも、こんな言葉がある。
人生はおもちゃ箱のようなものだ。開けてみなければわからない。
そう、オレはこの、「スマートフォン」という名の、「おもちゃ箱」を
開けてみることにした。
そう、なにごとも、やってみなければ、わからないのだから・・・。
甲太朗「というわけで、スマートフォンに乗り換えてみたんだよ・・・。」
靖「あのさ・・・。」
甲太朗「なんだ・・・?」
靖「いや、単にスマートフォンに乗り換えただけじゃん。
なんだよ。その前の壮大なあおりは・・・。いらないだろ。どう考えても・・・。」
甲太朗「だからさ・・・。もしかしたらだよ。
人生の転機になるかも知れないじゃん。
『風が吹けば桶屋が儲かる』みたいなかんじで、『バタフライエフェクト』が
おこるかも知らねえだろ・・・。」
靖「おまえ、どんだけ、ドリーマーなんだよ・・・。
で?また、休みにファミレスよびだすってことは、
またあれか?ひまつぶしか?」
甲太朗「そうだ・・・。まあ、せっかくだから、おれの
『おもちゃ箱』を見てみろよ・・・。」
そう言って、甲太朗はジーパンのポケットから、買ったばかりの
スマートフォンを取り出した。
甲太朗「iPhoneにしてみたんだ・・・。」
だが、彼が取り出したのは、iPhoneではなかった・・・。
<iPone>
そう、アイフォーンではなく、アイポーンだったのだ。
靖「・・・。あのさ・・・。『h』が抜けてるよな・・・。」
甲太朗「だな・・・。これは、あれだろ・・・。オレの『H』を足して、
『iPhone』になるんだろうな・・・。」
靖「個人的になぐっていいかな?
まあ、でも、スマートフォンもいろいろあるしな・・・。
とりあえず、なんかアプリ買ってみたら?
iTunesはつながるか、それ?」
甲太朗「ああ・・・。いちおう『iThunes』にはつながる・・・。」
靖「なんだよ!『iThunes』って! なんで、さっき足りなかった『h』が
そこに移動してきてんだよ! 意味わからねえよ!」
甲太朗「ちなみにWebは『Safari』じゃなくて、『Savannah』ってなってるな・・・。」
靖「サファリから、サバンナって・・・、無駄にもじりが巧妙でむかつくんだけど・・・。」
甲太朗「おまえ、なんかいいアプリ知ってる?」
靖「すくなくとも、『iThunes』のは知らないけど。
『さちこのおうち』っていうアプリなら知ってるぞ・・・。」
甲太朗「なんだ?それ・・・。」
靖「いわゆるギャルゲーだよ。ガールフレンドの『さちこ』との同棲生活を
シミュレーションしたやつだ・・・。」
甲太朗「オッケー・・・。探してみるわ・・・。
お、あったあった。アプリランキング1位にあったわ・・・。」
靖「すげ~人気なんだな。おれは、友達に聞いたんだけど・・・。」
甲太朗「よし、ダウンロード完了したぞ。しかも無料だったし。」
靖「あれ?たしか・・・、『さちこのおうち』は有料だったぞ。
おまえ、なんか、まちがってんじゃないの?
ちょっと見せてみろよ・・・。」
靖がのぞいた、甲太朗のスマートフォンの画面には、
そのアプリのロゴがうつっていた。
<さだこのおうち>