私の名前は「常盤樹 瑠奈(トキワギ ルナ)」。
私立「最上中学校(もがみちゅうがっこう)」に通う14歳の学生。
今日は日曜。昨日まで私立よろしく学校があって、この日はようやく、羽がのばせる日。
すこし、遅めの寝覚めとともに、のびやかな休日が始まる・・・
はずだった・・・。
「おはよう。」
「おはよう。瑠奈。」
「おう、起きたか。」
「よう、遅いな。瑠奈。一点減点な。」
「・・・・。」
何故か、知らない声がした。だがどこかで聞いたことがあるような声だった・・・。眠い目をこすり
まぶたを開けると、見知らぬ少女が下からこちらを見上げてる。
(だれ・・・?この子・・・?)
「お母さーん、この子どうしたのーっ?」
「もう、瑠奈ったらねボケて・・・。ナラクちゃんのことわすれたの・・・?」
「あ、そっか・・・。ごめんごめん・・・。」
(ナラクって誰?何?その縁起の悪い名前!あと、なんでお母さん、知ってるの?あ、そうか!
夢よ。 な~んだ、夢じゃん。 早く覚めないかなぁ・・・
・・・・・・。
起きろっ! 起きろっ! あたし~~~~~起きろ~~! )
「夢であったろ。ナラクだ。よろしくな。」
夢じゃなく、現実だった・・・。いや、正確に言うと夢が現実になってしまったのだ・・・。それも
あってはならない夢が・・・。
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「おまえか・・・、瑠奈・・・。」
「だ、だれ・・・?」
「どうせすぐ会うから紹介はあとにする。さきほど、父から伝言あってな・・・。」
「伝言・・・?」
「おまえ、もうすぐ死ぬぞ。」
それはあまりにも唐突な宣告だった。
「えっ・・・、冗談よね・・・?」
「ウソじゃないぞ。昨日、抽選で決まったからな。」
(えっ、抽選なの・・・?)
「信じないなら紙見るか?ほらこれ『生人番号一万二千六百七番 常盤樹 瑠奈さん、
この度、あなたは、天国への旅が決定いたしました、おめでとうございます』って。」
(軽くない・・・?というか、旅行なの?)
「あの、それ帰ってこれるの?」
「無理だけど。 まあ、どうしても帰りたいなら、記憶と感情を消去して、別の人間に・・・。
あ、難なら猫とかどうだ?らくだぞ!?猫は!!」
(何?色々とついていけないんだけど・・・。)
「まあ、でもいい飼い主にめぐりあえればの話だがな。この前の奴はのらのまま、
死んじまったし中には、間違えてイリオモテヤマネコになったやつもいたな・・・。
逆に貴重な体験だけど・・・。」
(なんで、この子、簡単に人の来世とかつかさどってんの?)
「あの・・・君って・・・何者?」
「死神だけど。」
「えっ、父さんは?」
「閻魔(えんま)。」
「えっ・・・。」
「ああ、前置きが長すぎた・・・。率直にきくよ。」
(死神って、あの鎌持った死神よね。で、閻魔ってのは閻魔大王さまで・・・。」
「聞いてんの?大事な話だよ。」
「ああ、はい・・・。」
「生きたい?」
「へっ・・・?」
「生きたいのかって聞いてるの?いいえって言ったら3日後くらいにおまえ、死ぬぞ。」
「い・・・生きたいです。」
「ほんとうに・・・か・・・・?」
「はい・・・。」
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そんな夢だった。そしてその死神が今、私の横で朝食を食べてる・・・。
「なあ、瑠奈、話があるから、あとでお前の部屋、行くからな。」
「えっ・・・。うん・・・。」
「ぎこちないわねぇ・・・。あなたたち姉妹でしょ?」
「えっ、なに・・・、アバッ・・・」
奈落が瑠奈の口をふさいだ。
「ここは姉妹ってことでスルーしてくれ。」
「え、何で・・・?」
「ことが円滑に行くように、とりあえず家族の記憶は改ざんしておいた。」
「そっか、なるほど・・・賢いねって、なるかぁぁ! なに人の記憶勝手にいじくってんの!」
「ほんと、けんかする時だけは仲がいいのね・・・。」
私の休日は・・・、人生は確実に壊れ始めていた・・・。