2021年から始め、全30宿の御宿場印を集めてきた「日光街道  御宿場印めぐり」も、残り2か所を残すだけとなりました。

 

この暑い季節、出来るだけ駅から遠い場所まで歩いていくのは避けたいと思っているのですが、残り2か所は、どちらも駅から遠い場所まで歩いて行かないと御宿場印を入手する事が出来ません。

 

ここは気合入れて歩く覚悟を決め、JR宇都宮線に乗車して向かったのは、栃木県下野市にある石橋駅。

 

 

冷房の効いた車内からホームに下りた途端、一気に気温上昇。

 

駅の外に出てみると、

 

 

まさに絵に描いたような青空の広がる快晴。

 

御宿場印を手に入れるために向かう目的地は、ここから歩いて25分ほどの場所にあります。

 

近くまで路線バスも通っていますが、時間が合わなかったので徒歩を選択。

 

駅で水分補給用のペットボトルを2本ほど購入して、いざ出発です。

 

 
気温が高いせいなのか、それとも普段からそうなのかは分かりませんが、視界が届く範囲に全く歩行者の見られない道を独りぽっちで歩いていきます。
 
駅前から伸びる通りの名前は、

 

 

このグリムは「グリム童話」のグリム。

 

そんな変わった名前の道を5分ほど歩き、交差した国道4号線を少し曲がったところにあったのが、

 

 

江戸時代、ここに石橋宿の本陣が置かれていた事を示す道標。

 

 

この道標以外、周囲は近代的な街並みが広がるのみで、かつて日光街道が通っていたことを思わせる史跡などは見られません。

 

ここから更に歩く事、20分。

 

みるみるうちに身体から水分が抜け落ちていき、持っていた2本のペットボトルも空になってしまいました。

 

幸運なことに、道の途中にも自動販売機はあったので、慌てて追加のベットボトルを購入。

 

全身汗まみれになり、疲れ果てた足を引きずりながら、黙々と歩き続けます。

 

途中、何度も住宅街を抜けていきましたが、こんな汗まみれの怪しいオッサンが歩いていて、不審者として通報されないかと不安に思いつつ、黙々と歩き続けます(笑)。

 

やがて、視界の先に、

 

 

目的地が近付いたことを知らせる案内が見えました。

 

正直なところ、いつになったら着くんだ…という気分になっていたので、かなり気持ちが軽くなり、足取りも軽やかになって、ここから歩いていくこと、5分ほど。

 

 
目的地に到着です。
 
グリム童話の作者であるグリム兄弟の出身州にあるシュタインブリュッケン村と、石橋町(現下野市)は姉妹都市。
 
ちなみに、ドイツ語でシュタインは「石」、ブリュッケンは「橋」なので「石橋」。
 
 
現在はどちらも合併して名前は変わりましたが、姉妹都市関係は変わらず。

 

「グリムの街づくり」を推進する石橋町が平成8年にオープンさせたのが、こちらのコミュニティパーク「グリムの森」と、その敷地内にある「グリムの館」です。

 

 

敷地内に入ると、確かに外国の公園っぽい雰囲気が漂っています。

 

 
もはや疲労困憊の脚がガクガクしている私は、周りの景色を見回す余裕もなく、とりあえず目に入ったベンチに座って一休み。
 
いよいよ、オッサンではなく初老の域だなぁ…。
 

 

日陰にあるベンチで汗が引くまで休んでから、改めて敷地の奥にあるグリムの館へと向かいます。

 

 
本当に、ここは栃木の片隅なのでしょうか。

 

 
こんな洋館に、日光街道の御宿場印を入手するために訪れるというギャップが面白いですね。

 

 

グリム童話って何があったっけ…と思いながら館内に入ると、

 

 
「ブレーメンの音楽隊」

 

 
「長靴をはいた猫」

 

そして、「赤ずきん」。

 

 
こういった有名作品やグリム兄弟の歴史などを紹介する展示が行われています。
 

 

 

せっかく訪れたのに展示を無視して帰るのも失礼な話だと思い、まずは一通り観て周ってから、今回の目的に向かいました。

 

 
石橋宿の御宿場印は、館内の売店にて購入出来ました。
 

 

日光街道の第15宿である石橋宿は、全長600メートルほどの間に旅籠30軒が並んでいたそうです。
 
御宿場印に描かれているのは、将軍家が日光参拝する際に休憩所としていた開雲寺。
 

 

これで「日光街道御宿場印めぐり」も残り一か所。