【2024年5月25日】

 

鎌倉時代から続く寺社仏閣など数多くの観光スポットがある鎌倉の街で、特に有名な名所の一つが「鎌倉の大仏」。

 

奈良の大仏、高岡の大仏などと並ぶ「日本三大仏」の一つに数えられ、国内外から大勢の観光客が訪れています。

 

私も子供の頃に初めて訪れてから何度も拝観してきましたが、今回、十数年ぶりに訪れてみました。

 

鎌倉駅から江ノ電に乗車。

 

 

車内は超満員で、まさに立錐の余地もないギューギュー詰め状態。

 

長らく東京で通勤通学をしてきたので平日の満員電車には慣れているはずなのに、休日の旅先で満員電車に乗るのは、あまり好きではないですね。

 

 

辿り着いたのは長谷駅。

 

鎌倉大仏の最寄り駅で、アジサイで有名な長谷寺の最寄り駅でもあります。

 

 

人気の観光スポットという事もあって、満員だった乗客の半分近くが下車。

 

一斉に改札へと殺到していく観光客の人波を避け、のんびりと駅構内の写真などを撮りつつ、混雑が過ぎ去った頃に駅を出ました。

 

 

周りに誰も居なくなり、のんびり一人で歩いていけると思っていたら…

 

 

前が詰まっていて、あっという間に追い付いてしまいました(笑)。

 

前方から歩いてくる人と擦れ違うのも大変で、明らかに観光地の道としては狭過ぎ。

 

普通に歩けば10分ほど着くはずの距離を倍以上の時間を掛け、ようやく目的地に到着しました。

 

 

入口付近には人間の塊が何個もあって、なかなか先に進めず。

 

とりあえず、団体客の皆様は変なところに滞留して、通路を塞ぐのは勘弁して。

 

 

鎌倉大仏が拝観出来るのは「高徳院」という浄土宗の寺院。

 

正式には「大異山高徳院清浄泉寺」といいます。

 

 

鎌倉時代、法然上人によって開かれた寺院とされていますが、実際のところ、当時の史料が不足しているために確かではないようです。

 

開基当時は真言宗の密教寺でしたが、後に臨済宗に変わり、江戸時代に再建された時からは浄土宗の寺院となっています。

 

 

左右から仁王様に睨まれながら仁王門を抜けたところに受付があるので、拝観料300円を支払って境内へ。

 

 

受付の先にある手水舎にて、いつも通り、手と口を清めます。

 

大勢の観光客の中で立ち止まるのは数名程度で、大半の人々はスルー。

 

こういう慣習を知らない外国人観光客は仕方ないと思いますが、幼い頃から寺社仏閣の参拝に慣れている日本人くらいは立ち寄り、手だけでも清めた方が良いのでは…。

 

 

周囲からの視線を遮るように生い茂る木々の間を抜けると、一気に視界が広がり、高さ13メートルの大仏様の姿が目に入ってきます。

 

 

鎌倉時代、武家と民衆の安寧を願って作られたとされる大仏様。

 

 

他の場所にある大仏様と比べ、角ばった顔の輪郭、ちょっと大きめの頭部と猫背の前傾姿勢などが特徴です。

 

実は奈良の大仏様と鎌倉の大仏様は別々の仏様の像で、奈良が毘盧遮那仏の像であるのに対し、鎌倉は阿弥陀如来の像。

 

両手が結んでいる形も異なり、

 

 

奈良の大仏様が右手で「施無畏印」、左手で「与願印」という印を結んでいるのに対して、

 

 

鎌倉の大仏様は膝の上で手を組む「定印」を結んでいます。

 

 

建立された当時は大仏殿が建てられていて、大仏様も室内に据えられていました。

 

ところが、台風や地震、津波などで何度も倒壊してしまった結果、室町時代の頃には屋外に鎮座する現在のような姿だったようです。

 

 

かつての大仏殿の礎石は大仏様の周囲に残されていますが、そんな歴史的な事など知らない観光客が平気で座っています(笑)。

 

 

長い歴史の中で何度も改修を繰り返してきた奈良の大仏と比べて、造られた当時の状態を保ち続けているのも特徴の一つ。

 

 

大仏様の背中に開いている窓は、鋳造した時に内部から土や木型を取り出す為に使われたもの。

 

現在は、胎内拝観をするための明かりを取り入れる役割もあります。

 

その胎内拝観は、50円を支払えば誰でも参加できます。

 

 

胎内は狭く、階段も狭いので、一度に入れる人数には制限有り。

 

 

中から出てくる人数と入れ替わって、同じくらいの人数が入っていきます。

 

 

こういう時、無駄に大きい自分の身体が恨めしく思います(笑)。

 

 

内側から観ると、下から順番に青銅を固めていった製造過程が良く分かります。