栃木県益子町にある西明寺。

 

参道の石段を上がっていくと、左手から視界に入ってくるのが三重塔です。

 

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室町時代の1538年、この地の城主だった益子氏によって建立されたと伝わっています。

 

その高さ、約18メートル。

 

国の重要文化財に指定されている、関東屈指の古塔です。

 

 

 

塔の脇に置かれた案内板によると、「関東甲信越四大古塔」の1つ、らしいです。

 

ちなみに、その四大古塔に数えられている他の三塔ですが、いくらネットで調べてみても、全くの不明(笑)。

 

こういう「三大〇〇」とか「四大〇〇」みたいなものは、先に名乗ったもの勝ちみたいな部分がありますからね。

 

建立された年代が古い「古塔」は他にもあるので、おそらく高さを比べた「四大」なのかも。

 

 

遠くから見た時から気になっていましたが、近くで見上げると、屋根の大きさと反り具合が目を引きます。

 

塔身も決して細い訳ではないのに、バランスが悪く感じるほど。

 

この屋根には他にも特徴があって、一層目と二層目の屋根が二段、三層目の屋根が三段になっているのは日本唯一の珍しい形。

 

元々は茅葺き屋根でしたが、銅版の屋根に付け替えられ、それも日本唯一のものです。

 

 

 

下から見上げると、放射状に広がる造りの美しさを堪能できます。

 

 

 

古い建築物の建築様式には、日本古来の「和様」と、中国から伝来した「唐様」があるのですが、この塔は一層目が「和様建築」、三層目が「唐様建築」、その間の二層目が「折衷様」という三種類の様式になっていて、非常に珍しい形になっています。

 

 

塔の頂点に立っているのは、青銅製の相輪。

 

 

その上部にある「水煙」は、独特の雲形をした連続模様になっています。