(日光の旅(1) から続く)

 

 

世界遺産「日光の社寺」の一つ、二荒山神社。

 

 

日光では、古くから二荒山(男体山)を含む「日光三山」を神が宿る山々として、宗教的聖地として崇拝されていました。

 

奈良時代、地元の僧である勝道上人が、この地に二荒山(男体山)の神を祀る祠を建てたのが、二荒山神社の始まり。

 

それが現在の本社になっています。

 

 

 

その後、二荒山(男体山)に登頂した勝道上人は、その山頂に修験道場を開きます。

さらに、中禅寺湖の畔に中宮祠と「中禅寺」を建立。

 

江戸時代になり、德川家康を祀る東照宮が作られると同時に、二荒山神社も幕府の保護を受けて栄え、日本中から崇敬を受ける寺社となりました。

 

現在も、今回訪れた「二荒山神社」を本社として、中禅寺湖の畔にある中宮、二荒山の山頂にある奥宮まで至る広大な土地の全てが、二荒山神社の境内。

その広さは、何と東京ドーム70個以上もあるそうです。

 

境内にされている土地の中には、有名な「いろは坂」も「華厳の滝」も含まれているので、日光を訪れる観光客の多くは、二荒山神社の境内の中を旅している事になります。

 

日光というと、どうしても「東照宮」が最初に頭に思い浮かぶ有名スポットですが、実際の「日光の主」は、この二荒山神社なんですね。

 

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二荒山神社の主祭神は、「日光三山」に宿る三人の神。
 
本社にある「日光連山遥拝所」には、「日光三山」を含む日光連山のミニチュア版があり、一気に参拝出来るようになっています。
 
 
 
「遥拝所」というのは、御神体を遠く離れた場所から拝める場所の事。
本来なら、それぞれの山々を巡らなければいけないところを、この場所を拝む事で、同じご利益を得られるそうです。
 
 
 

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現在の本社に残されている建物は、江戸時代、幕府によって建て直されたものが大半。

その中の11棟は、国の重要文化財に指定されています。

 

 

西暦1645年に造営された拝殿

 

ほとんど装飾も見られず、地味な印象の建物ですが、造営後に行われたのは屋根の修繕だけで、創建当時の建築様式のままで現在まで残っている貴重な建物です。

 

拝殿の先には、様々な神を祀った祠のある「神苑」があります。

通常は拝観料が必要らしいのですが、この日は弥生まつりが開かれていたおかげか、無料で出入り出来ました。

 

神苑に入り、一番手前にあったのが、

 

 

大山咋命(おおやまくいのみこと)を祀った日枝神社

比叡山の麓に総本社がある日吉・日枝神社の、日本全国にある末社の一つです。

 

その名の通り「山に杭を打つ」、すなわち山を治める神様で、農業などの産業・家庭の繁栄に御利益があるそうです。

 

 

朋友神社は、知恵の神様である少名彦名命を祀っています。

医療の神様、温泉の神様、そして酒造の神様としても有名です。

また、少名彦名命が小さな神様だった事から、「一寸法師」の物語の元になったという説もあります。

 

 

弥生祭りで使われる神輿三基が納めてある神輿舎

この日は祭り当日ですから、中は空っぽになっています。

 

神輿舎の前にあるのが、この唐銅燈籠

 

 

ちょっと見ただけでは、単なる錆びた燈籠にしか見えないのですが、これも重要文化財(笑)。

 

火を灯すと怪しげな影がユラユラと上がり、その様子が化け物に見えた為、警護していた侍が何度も切り付けたそうです。

 

その切り傷が70か所以上あるそうですが…

 

 

ちょっと分かり辛いかな…。

 

 

こちらの大国殿は、大国主命(おおくにぬしのみこと)を祀った祭殿。

「国造りの神」である大国主命は、仏教の大黒天と同一視される事で、七福神の大黒様としても知られています。

 

祭殿の中には大黒様の絵が飾られているのですが、ここの大黒様は小槌を持っておらず、空いている手で手招きをしている事から「まねき大黒様」と呼ばれています。

 

この絵の前には「打ち出の小槌」が置かれており、それを振る事で福を呼び寄せられるそうです。

 

大国主命(大黒様)は五穀豊穣、商売繁盛の神様ですが、それに加え、縁結びの神様としても人気があります。

縁結びで有名な出雲大社に祀られているのも、同じ大国主命ですからね。

 

実は、この二荒山神社は、

 

 

良縁・縁結び、さらに美容にも効くパワースポットとして、女性に人気。

 

 

狛犬も、

 

 

 

二体揃って「良縁」です。

 

境内には、一つの根元から二本の杉の木が生えている「夫婦杉」が。

 

 

その近くには、一つの根元から三本の杉が生えている「親子杉」もあります。

 

 

日光第一の霊泉といわれる「二荒霊泉」

 

古くから「若返りの水」と呼ばれていて、美容と愛情のパワースポットです。

また、目の病気にも効果有り、との事。

 

この場で飲んだり、顔を洗ったりするのは自由ですが、持ち帰る時には専用の容器を買わなければなりません。

空のペットボトルなら持っていたんですけど、勝手に汲んではいけないようで…。

 

女性やカップルが特に食い付いていたのは、

 

 

 

ハード型の板に願い事を書いて、「ご縁柱」と呼ばれる柱に向けて投げ、柱の近くに落ちたら願い事が叶う、という運試し企画。

 

仲睦まじいカップルがイチャイチャしながら書いたり、女の子同士でワチャワチャ楽しみながら書く姿は微笑ましいのですが、私のようなオッサンが一人で書くというのは…。

 

 

恥ずかしながら…書いちゃいました(笑)。

 

 

これは上から投げた方がいいのか、下手投げがいいのか。

どうしたら上手く投げられるのか、ちょっと迷いながらも、ご縁柱に向けて…スローイング!

 

 

 

 

ヒュルヒュルヒュルッ。

 

妙な回転のかかったハート板は、ご縁柱とは遠く離れた、かなり手前に着地…。

 

冷静に考えれば、こんな薄い板を投げるんだから、まともに投げたら空気抵抗で落下します。

 

ブーメランを投げるように、平行に投げた方が良かったのかも。

 

そんな事すら思いつかない私には、今年も良い縁は訪れないようで…。

 

 

(日光の旅(3)に続く)