興福寺には五重塔と三重塔の両方があり、両方とも国宝に指定されている名塔です。

現在、国宝になっている五重塔は9棟、三重塔は13棟、その両方がある寺院は興福寺だけ。

 

 

奈良公園からも近く、目立つ場所に建っている五重塔に比べて、ちょっと奥まった場所にある三重塔。

 

ここまで来る観光客は少ないのか、周囲に人影はまばら。

 

 

高さ19メートル。

 

50メートルの五重塔を観た直後だけに、ちょっと小ぶりな塔に感じましたが、すぐ近くから全体像が見られて、その繊細かつ優美な作りを楽しめます。

 

 

平安時代の西暦1143年、崇徳天皇の中宮(皇后)だった藤原聖子の発願によって建てられた三重塔。

 

その後、平家による焼き討ちを受けて焼失してしまいましたが、鎌倉時代に再建。

それが現在も残っている三重塔で、興福寺の中で最も古い建物とされています。

 

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普段、塔の内部は非公開になっているので、見学する事は叶いません。

(年に一度、特別公開日があります)

 

資料などによると、初層(一階部分)は、四方の柱にX状に渡された板壁によって東西南北4つに仕切られています。

 

それぞれの板壁には仏様の絵が描かれていて、

北側の壁には弥勒如来、

南側の壁には釈迦如来、

東側の壁には薬師如来、

西側の壁には阿弥陀如来の絵が、

それぞれ千体ずつ、合計4千体が描かれています。

 

また、それ以外の壁や柱にも浄土の風景が描かれていて、このように色鮮やかな状態になっているのは国内では他に見られず、この塔独自のもの。

 

ただし、800年以上も前に書かれたものなので、だいぶ風化が進み、色が失われているそうです。

 

 

 


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