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(岩村城 その3から続く



下田歌子、三好学の銅像などを見ながら、トボトボと坂道を歩いていくと、やっと山の入口に辿り付きました。





よく整備された石畳が真っ直ぐ伸びています。
良くも悪くも観光地化した山道で、これを歩きやすいと好意的に取るか、綺麗になり過ぎて味気ないと取るかは、人それぞれでしょうか。
私のようなオッサンは、ガタガタの道より何倍も有難いんですけどね。


この地点で、「本丸まで六百米」の標識有り。

 

 

 



ちょっと勾配はキツめですが、石畳のおかげで踏ん張りが利いて上り易いです。
良く言えば平穏な、悪く言えば変化に乏しい上り坂。
周囲の自然を楽しもうと思っても、2月というのは中途半端な時期なんですよね・・・。




「本丸まで五百米」の標識がある辺りで、道に変化が。
それまでずっと直線だった石畳の道が、突然大きなS字カーブを描いています。

 

 

 


 

 

 




ここは、外敵が攻めてきた時など緊急事態の時に、臨時の門を設置した「初門」と呼ばれた場所。


この大きなカーブで、下から攻め上がってくる敵を渋滞させ、食い止めたんですね。

 

 

 




この辺りまでは、予想外にスイスイ順調に登って来れました。
残り500メートルという事は、ちょうど半分あたりまで登ってきた事になります。

 

 


あまりの順調さに、正直ちょっと「今回、意外と調子良くない?」と自分を過信してしまい、「これなら余裕じゃ~ん」と調子に乗ってしまったのですが、実は、ここから先が大変でした・・・。


森の中を一人ぼっち、喋る相手もいないので黙々と歩いていると、

 

 


また100メートル、残り距離が減りました。


この辺りになると、行く手の先に、ここが城跡である事を思い出す光景が見えてきました。

 




最初は低く小さな石垣ばかりが見えていましたが、徐々に高さを増し、私の足元から腰の高さ、胸の高さから頭上まで伸びる高さにまで変化していきます。

 

 

 


ここまで自然に囲まれた山道を歩き続け、単なるハイキングか森林浴にでも来ているような気分に陥り始めていましたが、こういう石垣を見ると、一気に城跡訪問モードに切り替わります。


厄介なのは、道が石畳だけでなく、石段になっている部分も加わった事。
路面の固さは変わらないのですが、微妙な歩幅の変化が足腰にダメージを与え始め、それまで感じなかった疲労感と関節の痛みが出てきます。


疲れを感じ始めると、それをリカバリーできないのがオッサンゆえの悲しさ(笑)。
たちまち歩くスピードが落ち、膝や腰に手を置く事が増え、遂には道端に座り込んで休憩しました。
ちょっと座り込むには、石段の方が向いています(笑)。


これまで何度も痛い目にあってきたクセに、山道を甘く考えていた自分を恥じながら、ゼ~ゼ~フ~フ~と荒い息を吐きながら登っていくと、道の両側が高い石垣と土塁で挟まれている場所が。

 



 

これは明らかに門の跡、と思った私の読み通り、ここは「一の門跡」


下にあった「初門」と違って、ここは常設の門で、二階建ての櫓門だったそうです。
周囲の石垣の上も土塀で固められており、城の出入りを見張る番所として機能していたようです。


という事で、いよいよ、ここから先が岩村城の中枢部分となります。



一の門を通過して、更に石畳を登っていくと、時折、足元が白い部分が見られるようになりました。
城下町では全く見られなかった雪が、この高さになると、チョコチョコと残っているんですね。

 

 

 


山を登り始めた頃には全く苦にならなかった坂道の角度が、この辺りまで来ると、さすがに厳しく感じられるようになりました。


私の住んでいる場所では、日常生活で、こんな急な坂道を登る事なんか皆無だからなぁ・・・。


そんな坂道を登ったところが、

 

 



こうして、残り距離が減っていくのが分かるだけでも、だいぶ精神的に助かります。


この標識がある辺りにあったのが、第二の門である「土岐門」

 

 


ここにあった門は、廃城後も、市内のお寺の門として移築されて現存しているそうです。


この門を過ぎて少し歩いた頃から、足元は石畳から、普通に土の山道へ変化していきました。

 

 



大きめな石もゴロゴロ転がっているので、不注意で踏んだりすると、そのまま足首をグキッと捻って捻挫・・・なんて事にもなりかねません。

 

 

 




まるで粉砂糖を振りかけたような白い石垣。
溶け切っていない雪が残っているのですが、見ようによっては、白カビに包まれているようにも見えます(笑)。

 

 




高い場所に登り、城の中心に近づくにつれ、石垣の作りが立派になってきたように感じます。

 



 

 

この高い石垣と石垣の閒を通っていく道は、もともと空堀だった部分だそうです。


石垣に沿って歩いていくと、「本丸まで二百米」の標識があり、道は石垣の内側へと伸びていきます。

 

 


城の正門にあたる「追手門」跡です。
いわゆる「大手門」ですね。


右側の石垣の上には、岩村城で唯一の三重櫓が建っていて、天守の代わりの役割を果たしていたそうです。
城のシンボルだったようで、城下町の本通りからは、この櫓が正面に見えるように設計されていたそうです。

 

 





(岩村城 その5に続く)

 

 

 


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