先日のスペインvsスイスといい、昨夜のドイツvsスペインといい、
しっかりとチームコンセプトの固まっている欧州チーム同士の対決は、
やはり見所の多い試合になるね。
南米勢やアフリカ勢のように一人で展開を変える単騎ドリブルは少なくて、
いわゆる「遊び」も少ない試合は、人によっては刺激が足りないかもしれないけれど、
中盤でのパス回しでミスが少なく、全体が引き締まっている試合は、個人的に好み。
~グループリーグ グループD~
セルビア 1-0 ドイツ
今大会において、ここまで続いている法則の「退場者が出たチームは負ける」が、
この試合でも見事に当てはまってしまった。
しかも、退場者が出た直後に失点する、というのは、
第一戦において、セルビアがガーナに負けたパターンであって、
人数が減る事の難しさを思い知らされたセルビアが、
それをドイツにやり返した形になった。
セルビアは、限られたチャンスを確実に生かした。
長身FWジキッチにボールを集め、
彼が頭で落としたボールを他の選手が狙うという形が、
チームの約束事として、しっかりと確立されているんだろうね。
10人になった後も、ドイツは勢いのある反撃を試みて、ゴールに迫ったけれど、
失った人間が、よりによってエースFWのクローゼだったのは痛かったね。
途中から交代出場したカカウも、マリオ・ゴメスも、ほとんど仕事が出来なかったし、
サイドから何度もチャンスを迎えたポドルスキーは、PK失敗も含め、ことごとく外しまくり。
あれだけ外せば、勝てる試合も勝てなくなる。
ただ、今回のドイツ代表の戦い方には、非常に好感が持てる。
もともと堅実な試合運びの出来る国だったのに加え、
若き技巧派MFエジルを中心にした中盤でのパス回し、
どんどん相手DFの裏を狙う積極的なスルーパスと中盤からの飛び出し。
しかも、ただ上手いだけのチームではなく、いかにもドイツらしい屈強なFWもいる。
もしかしたら、浦和レッズのフィンケ監督の目指すサッカーというのも、
こちらの方向性かもしれないね。
残念ながら、浦和にはエジル的なMFはいても、クローゼやポドルスキーはいないのだが……。
ポドルスキーのような役割を担うとすれば、浦和なら原口や梅崎だろうか。
今夜のオーストラリアvsガーナで、オーストラリアが勝てば、
グループDの4チームが全て1勝1敗で並ぶ訳だが……十分に有り得るな。
そうなると、最終戦で当たるドイツvsガーナの勝敗で、どちらかがグループリーグ敗退?
万が一、ドイツが……なんて事になったら、大騒ぎだな。
更に、グループCも混戦の予感。
~グループリーグ グループC~
アメリカ 2-2 スロベニア
イングランド 0-0 アルジェリア
大会前の予想では、イングランドの実力が頭一つ抜けていると思われていたグループなのに、
予想以上にアメリカとスロベニアが粘り強い試合をして、完全に三つ巴状態。
スロベニアに0-2とリードされたアメリカだったけれど、
全く諦めず、愚直なまでに前に突き進んでいくサッカーで同点に追いついた姿に、
思わず、深夜のTVの前で興奮してしまった。
最終戦では1勝1分けのスロベニアと、2分けのイングランドが当たり、
おそらく、こちらも勝った方が勝ち抜け、負けたら敗退の可能性は高いだろう。
総合力のイングランド、技巧のスロベニア、フィジカルのアメリカ、
どこが勝ち残ってもおかしくない混戦グループだね。
とはいえ、イングランドが負ける事は想像出来ないけれど……。