角川ソフィア文庫のビギナーズ・クラシックスシリーズの『史記』を読んでいます。
中国古典の入門書という位置づけで、『史記』のエピソード全てを網羅しているわけではないのですが、同書の重要トピックスについて、原文・読み下し文・訳文とそれぞれ用意した上で、筆者の寸評により当該トピックス前後の事象を整理するという流れをとっています。
『史記』の大要を掴みたいということであれば、原文と読み下し文をすっ飛ばして、訳文と寸評を読むだけでも十分かと。
私も、上記のような読み方で読んだところ、2時間くらいで読み終えました。
その中で、印象に残ったのが、「道聴塗説」という故事成語。
意味は、「道端で聞きかじったことを、知識や理解がいい加減なまま、すぐに道端で自説のように、他人に話す」こと。
『史記』の世界では、道聴塗説の輩は軽蔑の対象となっていますが、現代情報社会に当てはめてみると、マス・メディアやソーシャル・メディアの活用において、汲むべき教訓が多々あるような気がします。
『史記』を読み終えたので、次は『十八史略』に向かいたいと思います。