原作に忠実と前評判が高かったので、映画鑑賞に行ってきました。

 

 

確かに、原作の世界観を崩すことなく、出演者の一人ひとりが原作を理解した上で、作品に臨んだことが十分に伝わってきた作品でもあります。

 

だからこそなのか、若干の違和感も。

 

漫画は限られた紙面・紙幅の中で、静止画とセリフ、さらにはレイアウトや擬音語などを駆使しながら視角に訴えるメディアです。

 

一方、映画は動画を中心として、音楽や音響効果を使いながら、視角と聴覚の両方に訴えるメディアです。

 

どちらかの善し悪しではなく、メディアとしての特徴・特性が異なるため、漫画で効果的(劇的)に使われていたシーンやセリフの言い回しを、映画で再現しようとすると、どうしても大袈裟になったり、中途半端になったり。

 

正確に再現しないと、私のようなオタクどもが「これじゃない!」と騒ぐので、再現性にこだわる向きはあるのかもしれませんが、ストーリーの基本プロットは押さえながらも、セリフや表現などは監督や出演者の理解・解釈に委ねる方が、よりリアル感の出る作品になったのではないかという思いがします。

 

もちろん、大沢たかお演じる王騎将軍は雰囲気が出ていたし、長澤まさみ演じる楊端和は美しかった(肌の白さが気になりましたが)ので、これはこれで見所のひとつではあると思うのですが。

 

個人的には、王騎と副官・騰の掛け合いが見たかったのですが、本作品では忠実な副官という印象しか受けなかったですね。

 

上官の命令をさらっと流せる副官・騰のユーモアが好きなもんですから。