一見、新しいことのように思えるのですが、積み重ねられてきた人類の叡智を探ってみると、過去に学ぶべき教訓や事例を山ほど見出すことができます。
私はもともと歴史好きだったということもあり、古典を読むことは抵抗がない、というよりも小説や漫画、ゲームなどで予備知識があったため、古典に取っつきやすかったという面があります。
そうでない人にとっては、「古典に書かれていることは難解だし、古臭いし、読む価値はあるの?」という疑問があっても仕方がないと思います。
私自身も、古典を読むこと自体にメリットがあるのかという点については、「メリットがありますよ」と断言できるほど、古典に精通しているわけではないので、回答は差し控えたいと思います。
ただ、古典を読んでおかないとアプローチできない領域(空間)があることは断言できます。
どんな分野でも第一線で活躍されている(活躍した)方には一家言があり、その言葉には経験に加えて、古典を通じて獲得した世界観であったり、人生観が滲み出ます。
その人の人間性を理解したいと欲するのであれば、やはり自分自身も同様の水準に到達しないと、断片的な理解・解釈にとどまってしまいます。
私は、この世に存在する全ての知識・情報は、人間そのもの、あるいは、その周囲に存在する自然や環境との作用・反作用を理解するためのツールだと考えているので、世の中で起こっている諸事に対する洞察力を高め、それに適応するための思考力や行動力を養う上で、古典というツールは不可欠であると考えます。
ただ、冒頭に書いたように、古典を読むためには、執筆者が置かれた当時の情勢や環境を理解し、そこから生まれた問題意識を捉える必要があり、さらに、そこから現代的課題へと敷衍して考えることが重要です。
そんなことを古典に興味・関心のない人に押し付けても仕方がないので、まずは、古典に書かれていることの概要を理解してもらうことから始めるべきかと。
すなわち、古典に書かれているエピソードやトピックが出てきた際に、少なくとも「その古典はこういう内容だったよなあ」と概略を思い浮かべるくらいの水準には到達すべきと。
そのためには、古典の一言一句を取り上げるような精読ではなく、「問題意識」→「テーマ」→「具体的アプローチ」と3分でエッセンスがわかるような読書術で古典を紹介していこうと思っています。
既に第1回目〜第3回目までは取り上げる古典を決定しておりますが、こちらのコンテンツについては、今後の勉強会のテキストとして使用することもあり、有料コンテンツとさせていただきます。
勉強会の内容につきましては、「古典を読む」ことを目的化するのではなく、「古典を通じて現代的課題を検討する」ことにフォーカスを当てていきたいと思います。
具体的な事業内容については、10連休明けに研究会ホームページにおいて、改めて告知させていただきますので、今しばらくお待ちください。