物事を実現するに当たっては、"what" と "how" を明確に分けて、事業計画を立てるべきです。
行政が立ち上げる様々なプロジェクトは、理由(why)はしっかりしており、何をすべきか(what)も明確なのですが、手法・アプロローチ(how)になると、トンデモ計画になってしまう傾向にあります。
「どうやって」が抜け落ちてしまうと、プロジェクトへの過度の期待が高まり、成果や儲けのことばかりに話が終始してしまい、「獲らぬ狸の皮算用」的な話に終始してしまいがちです。
でも、この「どうやって」という部分が最も重要で、そこを真剣に考え抜かないと、プロジェクトの成功は覚束なくなります。
更に言えば、howを考えるとは、失敗のリスクも念頭に置くということでもあります。
多様な手法やアプローチを考案するためには、行政組織が保有する経営資源では不足しがちで、他の関係機関や民間企業、NPOなど多くの利害関係者からの協力が必要になります。
これらの協力を得るためには、普段からのコミュニケーションの積み重ね、そして、信頼の構築が必要です。
机の上に座って、whatを考えているだけでは、howに到達はしません。
自分が信じる選択のために、どれだけのリスクを覚悟できるか、ひいては、そのための熱意と誠実さ、素直さがあるかどうかを利害関係者は試しています。
「行政だから」と市民や企業が無条件に協力をしてくれた時代は、既に過ぎ去ってしまったことを認識すべきです。