新しいプロジェクトを起こすと、当然のことながら、前例がなかったり、過去のノウハウが役に立たなかったりすることがあります。
私にとっては、それが当たり前のことだと思っているし、むしろ、真っ白なキャンバスに自由に描けるので、テンションが上がったりするのですが、やはり、それは人それぞれなんだなと。
仕事って遊びではないし、かつ、仕事に対する責任、さらには、その仕事の延長線にあって影響を受ける人々のことを思えば、仕事のアウトプットとして、前に進めたか、一段と積み上げることができたが大事だと考えています。
仕事を前に進めるため、一段と積み上げるための準備って、相応の労力と時間を必要とするものだし、更に、それを論理的にまとめて多様な利害関係者の合意形成を図っていくためのものとなれば、更なる労力や時間を要するのは至極当然のこと。
プロジェクトの目標や内容から判断して、重大な性質であることは、とうの昔にわかりきっておくべきものであるにもかかわらず、それを今更「大変なんです」という言葉を吐くこと自体が、当人の意識と覚悟が不十分だったことを証明しているようなもの。
私にとって、「大変なんです」という言葉は、「自分にとっては想定外であり、自分のキャパシティを超えており、対応できるかどうかわかりません」という、いわば自分自身の無能力を曝け出している言葉であり、その言葉を吐いた瞬間に、自身が思考停止してしまい、周囲を不安にするだけの百害あって一利なしの言葉だと考えています。
もちろん、私にとっても想定外は多々ありますが、想定外が起こった瞬間に「大変だ」と考えたり、宣ったりしている暇があったら、「次はどんな手を打つか」を考えます。
また、大変な仕事こそ自分の成長につながります。
しかし、「大変です」という言葉を吐いている人間の下には、自らを成長させ、新たなステージと引き上げてくれる、次の大きな仕事は舞い込んできません。
それは「あなたが強い人間だから」という言う人もいますが、私の見解は異なります。
「強かったから、新たなステージに立ったのではなく、新たなステージに立たされて、研鑽を積んだ結果、強くなった」という因果関係は全く逆にあります。
中国の春秋・戦国時代を舞台として、下僕の少年「信」の立身出世を物語にした『キングダム』という漫画がベストセラーになっていますが、信の成長は、血みどろの中の命懸けの闘いで果たされていきます。
望むと、望まざるとにかかわらず、突然、自分自身が思いもかけない状況や立場に立たされた時に、覚悟を据えて、全力を尽くせるかということこそが、実は、打開局面の突破口であることを、皆が知っていて、そういう姿を見せてくれる主人公「信」に自分の姿を重ねているからこそ、ベストセラーになっているんだと思います。
そういえば、自分が上司から仕事を振られた際に、答えていたパターンは・・・
- 自信がある:「やってみせます」
- まあまあ自信がある:「微力を尽くします」
- あまり自信がない:「できる限りやってみます」
- 全く自信がない:「あまり自信はないのですが、挑戦してみます」