今週は、シェア経済に関する著書『シェア:〈共有〉からビジネスを生み出す新戦略』を夢中になって読んでます。
シェア経済については、ジェレミー・リフキン『限界費用ゼロ社会:モノのインターネットと共有型経済の台頭』を読んで、ひと通り理解していたつもりでしたが、同書がIoT(モノのインターネット)によって変容した結果の経済のあり方(マクロ経済)に着目していたのに対して、現在、読んでいる『シェア』は、コラボ消費(ミクロ経済)に着目しているという視点の違いがあります。
なので、経済や社会の変化という抽象的な概念よりは、自分自身にとって卑近な現象である「消費」という具体的な考察対象をテーマにしているので、著書の中で登場する様々なビジネスモデルの置き換えをしながら、鹿児島という地域で起こっている課題や問題を解決する手法に使えないか、頭の体操を試みるうちに、みるみるのめり込んでしまいました。
その理由としては、これまで自分の関心事項でありながら、抽象度が高いが故にバラバラに散在していた概念や理論が、「コラボ消費」というキーワードで、全てつながっていく経験をしたからです。
「ネットワーク」「コミュニティ」「イノベーション」「ソーシャルキャピタル」・・・。
本音としては、これらのキーワードに関連する書籍(10冊程度かな)を持ち出して、1ヶ月くらい休暇を取って、山荘の中で、ひたすら再読をしたいという、強い衝動に駆られています。
もちろん、悲しい宮仕えの小役人としては、そんな自分勝手が許されるはずもないのですが、もう一度、自分の頭の中を整理し直すことで、これまでの消費経済とは異なる、新たなカテゴリーが誕生することにより、経済という領域を飛び越えて、地域、そして社会にもインパクトを与える事業を組み立てられそうな予感みたいなものがあります。
この著書の中で、コラボ消費の4大原則のひとつに「余剰キャパシティ」というものが紹介されています。
所有しているにもかかわらず、フル活用されることなく放置されているものを、最大限活用されるよう、大勢でリアルタイムにシェアできるような再分配を図っていくことの重要性が指摘されています。
このブログを立ち上げた私自身は、社会人になってから大学院に進学したり、米国公認会計士やキャリア・カウンセラーなどの資格取得を試みたり、それには飽き足らず、一時期は海外大学院への留学まで考えていて、かつての上司からは「地方公務員としては明らかなオーバースペック」という評価をいただきました。
もちろん、現在のようなインターネットの隆盛を背景としたシェア経済が本格化する前の話なので、鹿児島の行政組織の中だけで活用されるスキルという観点からは、その評価は正しかったと思います(だから、私も海外大学院への留学は断念しました)。
しかし、昨今のソーシャル・メディアの発展を踏まえると、そもそもの前提(=組織内のみにおけるスキル活用)を再考すべき段階ではないかと考えます。
組織内でうまく活用されなかった知識や経験(知見)は、広く地域社会で共有・活用されることがあっても良いのではないかという気がします。
研究会を立ち上げて、このブログを始めたときには、ただ単に「イノベーションを起こしたい」ということだけが動機でしたが、本書を読んでみて、そこから一歩踏み込んで、「シェア経済における新たなビジネスモデルを作ってみたい」という気持ちが湧いています。
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