生産性を向上させることができるか否かを検討する上で、会議を活性化させられるかどうかが重要なテーマだと思います。

 

会議なんてのは、できるかぎり開催をしない方が、効率や能率は上がると思います。

 

とはいえ、プロジェクトは人間が関わる以上、顔を突き合わせて、言葉や文字だけでなく、相手の表情や口調、身振り、手振りから、相手の意図や感情を読み取っておくことは、特に、その相手が重要な利害関係者であればあるほど、より多くの情報や判断材料を得るきっかけになるので、一概に、会議の有効性や重要性を否定するつもりはありません。

 

しかし、本日は、久しぶりに「最低レベルの」会議に出席をしてきました。

 

実は、出席を依頼された時点から、ひと悶着ありました。

 

「どのような目的・理由で、私が出席する必要があり、私が何を発言すれば良いのか?」という質問に対して、依頼者側は、明快な回答もできずに「上層部の会議で、今後、何らかの関係が出てくるかもしれないから、出てもらった方が良い」という曖昧な回答に終始しました。

 

多いんですよね。こういう目的や目標ははっきりしないけど、とにかく開催・出席することが目的化している会議。

 

実際に、本日の会議でも、組織内の関係者だけでなく、組織外の民間事業者関係者も出席しているのに、第一声が「自分たちも素人で、よくわからないので、忌憚のない御意見をお願いしたい」という言葉。

 

正直に言います。

 

私は、「何もわからない」なんて発言することは謙虚さや謙譲の美徳を表すとは思わないし、逆に、それは、自らの怠慢と無知を晒す愚かな行為だと考えています。

 

わからないことがあるのであれば、まずは自分で関係者にヒアリングをしたり、専門書を読んだりして、最低でも課題抽出や論点整理を行うべきです。

 

「わからないことがあるから教えてください」と言っても、民間事業者は、行政関係者にとっての指導教官でもないし、民間事業者の情報やノウハウには時間や費用などのコストがかかっていて、「はい、そうですか」なんて気軽に教えてくれる安っぽいものではないと思うんです。

 

私も、これまで民間事業者の方々と、幾度となく、コラボレーションをさせていただきましたが、決して、安易な気持ちで「教えてください」なんてお願いしたことはありません。

 

民間事業者の方々と意見交換をする際には、これまでの自分の経験や知見を踏まえて、「自分が知る限りでは、この程度のことなんですが、貴方様の持っている情報を差し支えなければ披露いただけませんか」という姿勢で臨みます。

 

すると、情報提供してくれる相手方も、私の問題意識や知識水準を踏まえた意見や助言を与えてくれます。

 

これがなければ、意見や助言を与える側も、一体何を提供してあげれば良いのか皆目検討がつきません。

 

案の定、本日の会議も、2時間近く行われたのですが、主催者が期待した成果や進展を得ることなく、「引き続き検討・調整していきます」という、無意味・無価値・無感動の時間を過ごしました。

 

私は構わないですよ。生産性を上げなくても、決まった給料がもらえる小役人ですから。

 

しかし、巻き込まれた民間事業者は可哀想です。更に言えば、迷惑です。

 

会議を開催するのであれば、特に、民間事業者等を巻き込むのであれば、入念な準備をするのは基本中の基本です。

 

本日、会議に同行した私の部下に対しては、こう言いました。

 

「俺の下でこんな無様な会議を開催することは絶対に許さん。細部までしっかり理解した上で、資料を作り込んで、どんな質問に対しても、最低8割は回答ができるように、今から準備をしておけ」と。

 

部下にとっては「他山の石」となるような会議であったことが唯一の成果だったというところでしょうか。