もうこの事案に関して、記事を書くことはないと思っていたのですが、新キャラ登場で、再び書くことにしました。

 

連日、報道が過熱しつつある日本大学アメリカンフットボール部の重大犯則事件。

 

今夜のNHKの20時のニュースで「日大アメフト部が会見を行うことになりました」と緊急放送がなされるくらいなので、全国的な関心も高いんだろうなと。

 

私も、5月17日時点で「SNSと危機管理」と題する記事を投稿(https://ameblo.jp/felix-epyon/entry-12376724355.html)しましたが、SNSでの批判殺到ぶりを想定するに、まだまだ問題が拡大する予想はしていましたが、その通りの展開になりつつあると(https://ameblo.jp/felix-epyon/entry-12377266889.html)。

 

繰り返しになりますが、私自身はアメリカンフットボールは門外漢だし、事の是非を論じる立場にはないと。

 

ただ、我が身に置き換えて、本事案を第三者立場から客観的に見てみると、学ぶべき事がたくさんあるので、第3弾の記事を投稿します。

 

さて、第3弾の記事を書くきっかけになった新キャラとは、ずばり、日本大学の広報部長

 

今夜の記者会見の司会役を務めた方なのですが、失言や本音を引き出そうと、執拗な質問を繰り返すマスコミに対して、「そうは問屋が卸さぬ」とばかりに、記者会見を一方的に打ち切ろうとしました。(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180523-00217910-nksports-spo

 

会見の最中に、司会を務めた大学関係者が質疑応答を再三、止めようとしたことに対し、報道陣が怒り、言い合いになる場面が繰り返された。

 

司会が「同じ質問が多い」と一蹴しようとすると、報道陣から「あなたの(打ち切り)発言で日大のブランドが落ちますよ!」と怒りの声が飛んだ。それに対し、司会者が淡々と「(ブランドは)落ちません」と答えると、とげとげしい雰囲気だった会見場内の各所で笑いが起きた。

 

マスコミの取材姿勢にも批判が強い中、私自身はマスコミ関係者の側に立つつもりはありません(ルール破りや無意味な質問も多数あるように思われるので)。

 

ただ、「絶対に反対姿勢を貫こう」「失言を引き出そう」「揚げ足を取ろう」というようなマイナス感情が渦巻く場において、司会進行を務めるならば、相応の対応方法があるんだろうと思います。

 

実は、私も、賛否両論というか、むしろ、反対派が多数集まる住民説明会における司会進行役を多数務めるという経験をしました。

 

発表者側は「何か隠し事をしている」「別の意図がある」と疑心暗鬼を生じている出席者側からすれば、質問という形式で、本音や真の意図を引き出そうとするのは、ある意味、当然のことかなと。

 

そんな状況下で、私が心掛けたのは、「意見や質問が出尽くす限りは説明会を打ち切らない。説明会を終了する場合には出席者に確認する」という当たり前のこと。

 

中途半端に終わってしまうと、「わざわざ出席したのに、なんで勝手に中断するんだ」と、火に油を注ぐことになるので。

 

加えて、説明会も後半になると、趣旨が重複したり、議題から外れたりするような意見や質問が出て、発表者側が当惑するような事態も見受けられます。

 

そんな時にこそ、司会進行役の力量が問われる部分で、私はカウンセリングの技法を使って、質問者の趣旨や意図を汲み取りながら、質問への感情反映を行ったり、要約や置き換えなどを行ったりして、発表者が答えやすいような質問に翻訳する作業を行いました。

 

私が思うに、司会進行の重要な役割は、ただシナリオ通りに会議を進めることではなく、司会進行というコミュニケーションを通じて、会議全体の内容を充実させて、出席者の納得感を向上させることにある、と思っています。

 

実際に、各住民説明会終了後も、住民の方々が、私に近づいてきて「先ほどの質問については・・・」とか「事務局の回答については・・・」などの、説明会における質疑応答のやり取りに対する自らの考えの披露や解釈について、更なる意思疎通を図ることができました。

 

苦労や不満を切々と訴えたり、怒鳴り声が飛び交ったりするような場では、お互いの立場の相違点やすれ違いが目立つことになります。

 

そんな時に、そのギャップを埋めていくには、ただ漫然と議事進行をするのではなく、感情を抑えながら、議論を整理し、論点を確認していく必要があります。

 

その意味では、今夜の日本大学広報部長の記者会見の仕切りは「最低」だったなと思います。