現在、話題沸騰中(?)の日本大学アメリカンフットボール部の重大反則事件。

 

ニュースや新聞報道で多数報道されていることもあり、門外漢である私が事件の詳細について語る資格もありません(詳しく知りたいは日本経済新聞の記事を参考まで。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30594760W8A510C1CC1000/)。

 

興味深いと思うのは、この事件が、ここまで話題になるきっかけが、新聞やTV等のマスコミではなく、TwitterやFacebook等のSNSの拡散がきっかけであったこと。

 

実際に、私もこの事件を知ったのは、5月12日時点。

 

この時点では、新聞やTV等のマスコミはほとんど報道しておらず、マスコミの報道が本格化するのは、5月14日の鈴木スポーツ庁長官の「衝撃的な映像で、非常に危険なタックル行為だと思いました。危険なプレーを容認するわけにはいきませんし、皆さんと共に、危険なプレーを減らしていかないといけない」発言を受けてのこと。

 

けれども、TwitterやFacebookでは、その現場を観戦した人、あるいは、アメリカンフットボールのファンなどが、YouTubeにアップされた動画を基に、その危険性や重大さを指摘し始めており、私が知った5月12日時点では、単なる問題指摘から日大アメリカンフットボール部への抗議や批判の水準にまでボルテージが高まっていました

 

このボルテージの高まりの原因は、すなわち、日本大学アメリカンフットボール部のサイト(公式あるいは関連含む)における反省や謝罪なき、無邪気な投稿

 

これがSNSユーザーの神経を逆撫でし、急激な拡散へとつながっていき、アメリカンフットボールにまるで関心のない私のような人間にとっても、事案の問題性や重大性を認知させるほどのうねりとなったわけです。

 

その意味では、今回のニュースにおいては、マスコミはSNSと比べて完全に後手に回っているところですが、そのスピード感についていってないのはマスコミだけでなく、日本大学側も同様。

 

謝罪も、記者会見も行わず、真相究明や問題把握、ひいては、今後の対応策などを、責任者や当事者が直接語ることなく、大学広報を通じて形式的内容を発表するのみという、まるでお役所的な対応に終始。

 

ましてや、その内容が監督の責任を回避し、選手の独断専行の結果であるかのような内容であれば、その姿勢や態度に対する一層の不信感や不快感が募るというもの。

 

案の定、SNSユーザーの間では、火に油を注がれたかのように、日本大学に対する非難・批判がアップされて、その中には、大学OBなどからの辛辣なコメントも少なくありません。

 

マスコミであれば、公共の電波を使っていることもあり、過激な発言や表現などは抑制される傾向にありますが、ネット上にはそのような規制が緩いので、取り扱い方を間違えば、「怒りの連鎖」が、より広範囲かつ強固なものとなってしまいます

 

国(スポーツ庁)に、マスコミ、SNSに連なる個人と、次々に敵に回し、しかも、他大学のアメリカフットボール部も、日本大学との試合をボイコットするなど、まさに「四面楚歌」状態。

 

危機管理における初動対応の典型的な失敗事例であるかのような対応を取ってしまった日本大学。

 

今からでも問題の所在を見極め、この窮地を見事に切り抜けるのか、それとも、戦略なき場当たり的な対応に終始して、自身が望まぬ結果に追いやられるのか、SNS時代における危機管理対応のケースとして、引き続き、注目したいと思います。