一介の小役人に過ぎない私ではありますが、絶対にやってはいけないことのポリシーがあります。

 

それは「政策の遂行に当たって企業や住民に迷惑を掛けないこと」。

 

非常にシンプルなルールなのですが、官僚制組織に所属していると、「民間の常識」から外れて、気付かなかったり、見落としてしまったりする、落とし穴が少なくありません。

 

例えば、業務委託料や補助金の支払業務等については、行政組織内では支払の手続きや審査が厳格な部分もあり、行政担当者としては、ついつい後回しにしがちなのですが、企業財務にとっては、その支払いタイミングこそが重要。

 

中小企業にとって資金繰りは、企業の生死に関わる問題なのですが、資金繰りをほとんど考慮する必要がない公務員にとっては、その資金繰りの苦労がわからない。

 

なので、支払いを遅滞すれば、その間、当該企業が銀行借入等による利子が発生して、企業財務上、新たな負担が生じるリスクもあるという想像力が働かない。

 

「官民連携」という言葉を使うのであれば、まずは、パートナーとなる企業の経営そのものに対する理解を深めなければ結局は、行政の都合で、民間企業を振り回して、かえって、御迷惑を掛けてしまう可能性もあります。

 

「企業や住民に迷惑を掛けないこと」。

 

シンプルなんですが、意外に奥が深いポリシーだなと思いました。