昨日、予告していたプロジェクト・マネジメントの手法に関する解説。

 

今後、こちらのシリーズは米国プロジェクト・マネジメント協会のPMBOK(プロジェクト・マネジメント知識体系:Project Management Body of Knowledgement)をベースに解説していきます。

 

まず、「プロジェクト」という言葉の定義ですが、PMBOKでは「独自の製品、サービス、所産を創造するために実施される有期的な業務」とされています。

 

ポイントは、①「独自の〜創造」という部分で、独自性や唯一性のあるものを新規で創りあげていく創造的な活動でなけれなばならない業務、②「有期的」という部分で、明確な終期が定められている業務、ということになります。つまり、独自性かつ有期性という特徴を持つ業務ということになります。

 

何も難しく考える必要はなく、例えば、私が「部下にプロジェクト・マネジメントの手法を3ヶ月で習得させる」という目標を定めて、それに向けた業務(例えばマニュアルの作成や講習会の日程調整など)を始めたら、それだけで、「プロジェクト・マネジメント講習プロジェクト」になるわけです。

 

このプロジェクト・マネジメントで重要なことは、プロジェクトの目的と成功基準(=目標)を明確にすること。

 

仕事がうまくいってない、面白くないという人の多くに当てはまるのは、この目的と成功基準が曖昧で、自分の進捗状況や今後の進め方を見失っているケースです。

 

プロジェクトの定義で定めるように、プロジェクトはある目的を実現するために実施されるものです。

 

目的や成功基準が違えば必要とされる活動も異なるので、プロジェクトの目的や成功基準を明確にしておくことの重要性は論を俟たないと思います。

 

そして、そのプロジェクトを着実に遂行して、成功に導くことがプロジェクト・マネジメントで、それを担うのがプロジェクト・マネジャー。

 

プロジェクト・マネジャーの役割は、過去の経験やマネジメントの知識を活用して、プロジェクトで行うべき作業内容、作業スケジュール、予算、要員などの計画と管理を行うこと。

 

プロジェクトには独自性という特徴もあり、計画通りに進まないことや想定外のことが起こったりします。

 

そこで、プロジェクトが計画通りに進捗しているか確認しながら、必要に応じて、作業手順の変更や新しいリソースの導入、更には期間の見直しなどを行うことを、プロジェクト・マネジャーには求められます。

 

このプロジェクト・マネジャーに求められるのが、昨日の記事で書いた、コミュニケーション能力。

 

次回は、プロジェクト・マネジメントとコミュニケーション能力について書きます。

 

 

注)以下はプロジェクト・マネジメントの基本書でもあるPMBOKの日本語版と英語版です。最近、第6版が発刊されましたが、私のブログでは第5版の内容に基づいて記述しています。