行政マンであれば、誰もが作成した経験のある「想定問答」。
議会等において、上長が対外説明を行うに当たり、現状や課題、今後の対応など基本的な方針を盛り込んだものを準備するわけですが、当然、相手からはイレギュラーな質問も予想されるので、最近の報道や相手の興味・関心なども踏まえて、入念な準備をします。
私も、今回は80問ほどを作成しましたが、以前であれば、面倒くさい仕事の部類としか感じてなかったところ、最近は別の効用があることを発見して、積極的に作成しています。
それは、プロジェクトを外部の視点から冷静に評価・分析し、進捗を早めたり、方針を修正したりする契機になるという面で、意味のある作業だと考えています。
プロジェクト・マネジャーの立場では、当事者として、一生懸命やっているのですが、どうしても様々な業務の優先順位や、関係者との調整が折り合わず、プロジェクトが停滞することがあります。
そんな時に、人間は弱い生き物なので、組織内部でしか通用しない理由(言い訳)をもって「できない」「できなかった」ことを強調しようとしますが、その理屈や論理は、外部の人間に許容してもらえないことが往々にあります。
日々行っている業務やプロジェクトについて、説明責任を果たすという意味では、どこかの段階で、対外的に説明可能な状態になっているという「棚卸し」作業が必要で、そのためには、やはり、定期的に開催される議会や会議を目標に、自分なりの想定問答を作成することが大事ではないかと思います。